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5月23日 新宿繁華街組織犯罪排除協議会 暴排講演 [その他]

5月23日、新宿警察署7F講堂において「新宿繁華街組織犯罪排除協議会 暴排講演」が行われた。この新宿繁華街組織犯罪排除協議会というのは、平成15年7月に発足、新宿駅周辺や歌舞伎町を含むエリアの事業者や町会・振興組合によって構成された民間主導による犯罪組織・暴力団等への対策・排除のための会合で、新宿警察署組織犯罪対策課(橋本昭課長)のオブザーバーによって活動を行っている組織。

開会に先立ち、協議会の会長である下村得治氏より挨拶が行われた。

新宿警察署管内における暴力団情勢は、暴力団事務所が約80箇所、それにともなうフロント企業等が77箇所、合計約157箇所が関連している。内、歌舞伎町1・2丁目には45箇所の事務所が存在し、構成員は1500人、周辺者が1300人が居ると推測されている。特に住吉会・極東会系だけでその9割り近くを占める(数字はやや流動的)。一般的に縄張りについては約4箇所に分けられ、西新宿1~8丁目・北新宿1~4丁目が住吉会十二社、大久保1~3丁目・百人町1~3丁目が向後睦、新宿駅東口・歌舞伎町1丁目が向後睦の新宿東という組織、歌舞伎町2丁目が住吉一家醍醐組がそれぞれ縄張りと称している。それ以外にも極東会や山口組系の組織が混在し、また三つ巴・四つ巴といった情勢になっているという。これに対する新宿警察署の組織犯罪対策課の体制は捜査員57名、昨年度の逮捕実績が620名(暴力団、麻薬、不良外国人等あわせて)ということだ。なお、組織犯罪対策課ホットラインが新設されたので、なにかもめごとや110番するほどでおないが、あるいは情報提供といった場合があったら下記ホットラインにどうぞとのこと。

新宿警察署 組織犯罪対策課ホットライン℡03-3348-0137

 

警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策課第三課暴力団排除第一係長 田賀博幹氏による講演

「最近の暴力団情勢としては、全国で86,300人、平成8年以降おととしまで微増傾向にあったが昨年からやや減少している。山口組・住吉会・稲川会でその総数の約7割りを占めている。また、山口組は勢力拡大傾向にあり、暴力団全体の47.5%の勢力、つまり世の中の暴力団の約半数を占める。東京都においては、昨年末の段階で16,750人の暴力団員数が把握されており、内訳としては住吉会が7,050人、極東会が2,000人、山口組が1,650人、稲川会が1,200人と、都内においても数字上山口組が第3の勢力になった。銀座・新橋・六本木・渋谷・上野・浅草などの都内主要繁華街に勢力を持っていた在京暴力団の国粋会を山口組が参加に吸収することで、山口組の東京への本格的な進出ということになった。

新宿区内においては暴力団員の人口比でいうと100人に一人、台東区はこれよりも若干多く97人に一人、台東区でも暴力団追放都市宣言というのを昨年12月に行い、新宿に遅れること3年ではあるが、暴力団追放推進協議会を5月2日に発足、活動を開始した。浅草など下町の場合、地域に密着した子供の頃から地元に根付いているというのがあってなかなか難しいのに対し、新宿の場合は外から入ってくる暴力団が多い。

とくに山口組については、警察に対する対決姿勢が非常に強い。たとえば、警察と接触するな、当然事務所にも入れるな、警察に情報を提供したものは処分するといった上層部が下部組織を締め付けている。また、組織力・資金力を背景にフロント企業を使って合法・非合法を問わずミカジメ料の要求などの伝統的な資金源以外に、闇金融、債権整理、公共事業への関与、株取引、投資などさまざまな経済活動が活発である。したがって、関東進出の楚になっている国粋会、あるいは武闘派といわれていた後藤組などを的に徹底的な取り締まりを行っている。

暴力団排除協議会の発足事例としては、プロ野球暴力団排除協議会、西多摩建設業界の排除協議会がある。プロ野球につては、応援団を含む外野席が東京ドーム、神宮球場などで暴力団によって不法に占拠、無法地帯化していた経緯があり、実体としては球場職員・警備員でさえ「暴力団や応援段には逆らうな」と指示が出されていたほどの状況だった。そのため、セ・パ両リーグを含む暴力団排除の協議会を発足し、排除のためのさまざまな広報を行っている。山口組に上納していた応援団組織を排除した関係で、現在ヤクルトの応援団が不在といった状況になっている。西多摩建設業界の排除協議会は、西多摩建設業界協同組合というのが母体になっていて、日本人権対策研究会という団体から目的不明の会社訪問、機関紙の購読要求などがなされていたために警視庁に相談があったながれで、この協議会を発足した。平成10年ごろから、市や都発注の公共事業落札会社に対しこの日本人権対策研究会が落札額の1%を要求、払わない場合は工事に張り付いて、実質的に工期が延びるような嫌がらせ行為、たとえば1㎝でもパイプ敷設工事に狂いがあったら行政に通達、行政はやむなく対処せざるをえない状況にするといったことをしてきた。人権対策研究会には、行政の土木部のものがいて、どうやったら行政が動き、わざわざ掘り起こして対処せざるをえない状況になるか熟知していたようで、こういった役所の人間が犯罪の片棒を担いでいたことが判明し、これに警視庁は対処してきた。警視庁に被害届を出すまでに、5回にわたり1300万円の恐喝被害があった。

歌舞伎町など、これだけ潤っている街なだけに、いろいろな利権、根深い暴力団等の関与はありうるかもしれないが、地域の方々が警察・行政と連携して暴力団等の不当な要求に応じない、被害を出さないといった活動を警視庁としても支援していく。」

歌舞伎町商店街振興組合からは、町田靖之理事長ほか、前理事長の小松氏、「とんかつにいむら」の新村社長などが参加されていた。


そもそも、暴力団であることにどれほど旨みがあるのか。組事務所では電話番や掃除洗濯、組長や幹部の使いっぱしり、ボディーガードなどとして束縛、ミカジメ料や用心棒代の取立て、覚せい剤の密売や恐喝行為などの犯罪行為で金を得ては上納金を納めるだけ、ミスを犯せば「けじめ」としてリンチや指詰め、組抜けしようとすれば監禁や脅迫、まして「家族」からは「ヤクザを早くやめて!」といわれ続ける日々。末端の組員は腹を空かし、組長は金がかかるからとトラブルは避けたい現実、いまの時代に暴力団が昔の「任侠ヤクザ」が生きていくような環境はどんどんなくなっている。したがって、暴力団・その周辺の犯罪組織のシノギは、一方で合法・脱法的な経済活動を中心としつつ、もう一方でさらなる凶悪な犯罪行為(詐欺・麻薬など)によるインフラに二極傾向にある。

現在でも歌舞伎町では、かつて、新宿でも戦後の武装解除によって、警察すら銃をもてなかった時代、戦勝国の治外法権を縦に当時「三国人」といわれた人たちの某弱無人からの自警組織として機能していた尾津組のことを悪くいう人はだれもいない。警察や行政の手の届かないある部分を「ヤクザ」が担っていたという側面、前述の講演にあったプロ野球からの暴力団排除にしても、よくよく考えれば新聞を売って歩く「なんとか団」なんていうのはみんなヤクザだったし、彼らが巨人戦の券を持って歩いて拡張していたわけだから、それを思えば企業も知ってて暴力団を利用してきたじゃないかと思えてしまう。

芸能界、とくに演歌や浪曲業界には昔からタニマチとしてこういった暴力団との関与は深かった。それがシノギになるからという以前に、歌手のだれだれのファンとか、意外と単純な関係からコンサートの券をまとめて買ったり、一時期組長クラスに浪曲がはやって、弟子入りしてたり、そんな姿はよく見たものだ。美空ひばりの興行に山口組三代目の田岡組長が関与していたことは有名だったが、これもむしろ美空ひばりのファンだった田岡組長が、地方巡業の際に起こりうる地元ヤクザとのトラブルに仲介し、各興行が滞りなく行えるよう側面支援していたといった色合いが強かった。今でも、かつて、ヤクザと持ちつもたれつの関係だった時代を知る人たちが居る上、組織的にチケットを買ってくれるという旨みがある以上、芸能界と暴力団の関係も完全に消えることはなかなかないだろうが、それも、各興行イベンターがしっかりとした会社組織になり、システムが出来上がってきたために徐々に暴力団の色合いは薄くなってきている。

現在暴力団排除、つまり排除に重点が置かれているが、たとえば新宿から排除しても他にいくだろうし、したがって全国的に同時多発的にこういった活動をする一方で、暴力団でいることの旨みがいかになくなっているか、また暴力団からの足抜け支援をもっと積極的に進めていくこと、同時にこういった社会のアウトサイダーたちが通常社会に復帰できるような環境整備、こういったことももっともっと充実させ、広報していく必要を感じる。現在、財団法人暴力団追放運動推進都民センターというのがあるが、ここでは警察と連携して足抜け支援や更正援助のメニューがある。警察では、脱退を妨害しないよう組長に警告、離脱を援助し、暴追都民センターは、暴力団からの離脱者が構成するために緊急の援助を必要とする場合には、当面の生活費として構成援助金を支給している。また「暴力団離脱者就労対策協議会」というのも設立され、離脱者で真剣に働く意志のある人に対する相談の窓口もある。

単に排除を謳うだけでは、決して治安対策は進まない。その人たちがどうやって生きていくのか、雇用支援も含めた社会インフラの整備、レッテル社会をどうなくしていくか、まっとうに生きようと思う人たちに対する社会の寛容性ということも含めて考えるべきなんだろうと思う。

財団法人 暴力団追放運動推進都民センター(略称 暴追都民「センター)

日本の警察は約28万人、だいたい人口に対する警察負担率は500人と聞いている。一方、東京都で言えば警視庁が約7万人というので、都の人口からの負担率は200人程度。しかし、アメリカに比較すると、アメリカの場合銃社会というのもあって安全・安心に対するコストは日本とは大分異なるかもしれないが、負担率は約100人。つまり日本の5倍ということになる。一方、歌舞伎町だけ考えてみると、流動人口は1日10~15万人、よって負担率の平均から言っても最低2~300人は居てもいい計算になる。しかし、実体はそれにはるかに及ばない。犯罪が多様化し、凶悪な犯罪はどんどん地方にも波及し、また日本自体も国際化するなかで、まちがいなく安全・安心のコストは増大している。しかし、警察の増員はなかなかままならない。今の日本の治安状況からいっても、警察は今の3倍くらい居てもいいのではないか。かつて、ヤクザが行政や警察の足りない部分、手の届かないある部分を担ってきたということから言っても、結局行財政改革とは逆行するかもしれないが、こと安心・安全についてはもっとコストをかけてもいいように思う。暴力団排除にからめて、そういう人たちを雇ったらというのは極端かもしれないが、国全体の雇用対策からいっても警察の大幅増員はあってもよさそうな気がする。日本は銃社会でない分、自警するのも銃や刃物を持つわけにはいかない、結局警察に守ってもらうしかないのだから。

 


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