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5月8日未明 新宿ゴールデン街で火災発生-負傷者等は無し、延焼もほとんど無く鎮火- [その他]

5月8日(火)深夜2時過ぎに新宿ゴールデン街で火災が発生した(上写真は2時15分撮影のもの)。場所は新宿区歌舞伎町1-1-10、新宿ゴールデン街(G2通り)に面した「FLAPPER」の2Fから出火(消防入電2時10分)、その後新宿の各消防署(四谷・新宿・早稲田・牛込・大久保)から約15台の消防車が駆けつけ、2時20分過ぎには一応鎮火。木造であるため火の周りが早くあっと言う間に燃えたが、近隣店舗の自主消防措置も早く、焼失面積は約10㎡、延焼は概ね防ぐことが出来たようだ。また負傷者等もでなかった。

 

「FLAPPER」では、この日2Fで油絵等の展示会が行われた後で、その打ち上げのため火災時には店には誰も居なかった。火災原因は不明だが、「油絵等の展示後の火の不始末ではないか」という話もあったが、現場検証に立ち会った消防の話によるとタバコの吸殻等は燃えていなかったことと、油絵等展示物を照らし出すクリップライトが床に落ちており、そこが最も燃焼度が高く、つまり点灯中のクリップライトが転落し破損、そこから出火したという可能性が最も高い。

 2時14分時点ではまだ外に火が出ていない。室内の火災中、近隣店舗らの消火器による自主消化活動でと消火器の粉と火災の煙が通り中に充満。深夜2時とはいえ、ゴールデン街ではまだまだコアタイム、この街は木造建築物で老巧化しており防災インフラが弱いことを自覚しているということなんだろうか、客も店の従業員らの反応も非常に早く、立ち込める煙と駆けつけた消防署員ら、および酔客や野次馬も含め、ゴールデン街全体が一時騒然となった。

 

消火後の現場の様子、隣室への延焼はそれほど酷くはなかったようだが・・ゴールデン街は数軒ごとに長屋構造になっている。仮に延焼した場合はまさに一大事となる可能性もある。消防入電が2時10分、消防によって2時20分過ぎには迅速に鎮火されていたからこそこの程度の被害で済んだのかもしれない。

この「FLAPPER」のある一角は、2003年にも似たような火災がおきている。ゴールデン街における火災事故はそれ以来ということになるかと。なお、ゴールデン街については架設の電線等が縦横無尽に建物を結んでいる。今回の火災でも現場周辺の電線類が煙を出して燃えかかっていた。今後、どう修復されるのかはまだわからないが、とくに周辺に設置されている電気系の設備・電線類の破損程度が気になる。漏電等電気系統から再び出火と言うことにならないよう地域・消防・警察もここにもしっかりと念頭をおき現場検証なり今後の対策にあたることが必要だと感じる。


三光商店街振興組合側には自動火災報知設備が設置されている。

新宿ゴールデン街は店子の組合としてはG1/G2/一番街の南側までのゴールデン街商業組合(約100件加盟)、その北側(花園1/3/5/8番街・まねき通り)が三光商店街振興組合(約150件加盟)の二つがある。このうち、三光商店街振興組合は2005年9月に組合内各店舗に火災報知設備を設置している。火災が起きた場合、一斉にエリア内に火災が起きたことを知らせるサイレンや火災現場を知らせるシグナル、回転灯が光るシステムなどがあるのだが、ゴールデン街全体で見るとまだ未設置のところもあるようだ。エリアが全体として老巧化した木造建築物であることを考えると、今回の火災では食い止められたが火の勢いによっては一気に延焼する可能性もある。そういった意識が消防にも地域の人たちにもあるからこそ火災規模のワリには消防車が15台以上も来たりしたのだろうが、とはいえ一軒の火災がゴールデン街全体の存亡に影響することも可能性としては考え得ることである。

バブル期、やはり再開発の波で地上げの風が吹き荒れた時期、放火まがいで営業を閉めた店舗が相次いだ。一時期100件程度まで減った営業者が、その後の若い経営者らの流入で今では営業店舗が250件と最盛期の数に戻っている。そして、今もまた一部地権者ら(花園街商業協同組合:ゴールデン街商業組合エリアの地権者組織)による再開発の議論が出てきている。現在の地上げスタイルは当時とは大分異なった、もっと巧妙になものになった。地権者に金をつかませ、契約を定借に切り替えさせる。〇〇設計などといった商業コンサルと称するシンクタンクがやんわりと調査に入り、後ろでゼネコンが糸を引く。まず揉めないように最善を図り、しかし揉めだしたときに初めて地上げ屋が本性を現す。新宿ゴールデン街では、今のところ「やんわり」と、といったレベルだが、歌舞伎町全体を見回せばいくつかの大型物件が今まさに裏社会から標的になっていると見受けられるものがある。なにも古いものばかりではない(古くて大型の物件もあるようだが)。例えば、区役所通りに面した新しく作られるホテルがあるが、この会社はもう一つ、区役所通り沿い鬼王神社近くに高層マンションを持っている。このマンション、新築でそれほど家賃も高くない。にもかかわらず入居率は30%に満たない上に、低層階のテナントは早くも閉店、あるいは入れ替わる状況。誰が見ても不思議な状況になっているのがわかるだろう。裏で手を組んだか、あるいは最初から意図があったのか、かなり開示したがらない会社だっただけに情報が入手しにくかったのだが、ともかくやや手遅れ感があるような気がする。

だからと言うわけではないが、今後まだまだ紆余曲折はあると思われる上、景観や街並みを残すのかどうかということ以上に、やはり防災・防犯インフラは地権者・店子・組合という隔たりを越えてきっちりと備えておくことは重要だろう。

今回の火災は地域の自主的な消防活動、新宿消防署の迅速な対応で大きな火災にはならなかったが、例えばこの日大久保からの消防車の到着は他の現場の関係で他の消防署に比べ数分到着が遅れた。震災時などにはもっと消防対応は遅れることが想定できる。仮にあと5分対応が遅れていたら、おそらくゴールデン街のこの一角は完全に焼失していただろう。場合によっては死傷者が出ていたかもしれない。こういった状況を誰もが認識しているにもかかわらず、これを地域も行政・消防も放置し、実際の災害で死者がもし出たとしたら、これはまさに人災と言える。防災・防犯インフラには確かにコストがかかる。この点で総論は賛成でも各論となるとコンセンサスを失い足並みをそろえるのが難しい。しかし、難しいからといって、これを諦めることをしてはいけない。再開発の話に対する街・店子らの意志なども含め、地域はもっと突っ込んだ議論と、それが安心・安全の結果に繋がるように行政が積極的に促す役割をすることは義務である。

4月25日にはゴールデン街へ入る靖国通り側に面したナインティビルでも火災があったばかりである。今回とも死傷者などが出ていないで済んでいるが、決してボヤではない火災が歌舞伎町内で立て続けに起きたことになる。


◆memoφ......過去、昭和60年以降の新宿ゴールデン街の火災

□2003年6月15日夜 「福力市座」より出火、負傷者1名

6月15日午後7時20分ごろ、新宿ゴールデン街のスナック「福力市座」から出火、同店舗が入居する木造モルタル造り2階建て約120㎡(6店舗、火元スナックは1F)が全焼。さらに隣接する3階建ての店舗兼住宅の2階部分38㎡が焼けた。この火事で火元スナックの男性店長(42)が右肩に軽い火傷を負った。消防出動は21台、出火から約2時間半後に鎮火。

※出火原因については、その後漏電に拠るものと断定されている。漏電は、基本的に大家(建物所有者、地権者)の責任のはずなのであるが、この建物について営業店舗は結局立ち退かされている。なお、出火したこの建物、今回の火災現場の隣の棟。

□1998年12月12日午前 約90㎡焼失、けが人なし

12月12日午前10時45分ごろ、通称「新宿ゴールデン街」南西側の飲食店から出火、木造2階建ての同建物200㎡のうち90㎡が焼けた。人通りは無く、けが人・混乱はなかった。

□1994年10月3日朝 「〇羅治」「とまり木」焼ける、けが人なし

10月3日午前7時ごろ、通称「ゴールデン街」でスナック2軒が入居した木造2階建ての店舗から出火、延べ60㎡のうち1階の「〇羅治(わらじ)」10㎡と2F「とまり木」30㎡が焼けた。この棟は、1991年10月の放火による疑いで45㎡が焼けた火災現場と同じ建物。

□1992年5月6日朝 「海っ子」など焼ける、けが人なし

5月6日午前11時10分ごろ、新宿ゴールデン街にある「スナック海っ子」(橘万智子さん経営)2階付近から出火、木造モルタル2階建て店舗と両隣のスナックの一部の計約50㎡を焼いた。

□1991年10月5日朝 常泉花子さん方の元店舗「みち」焼ける、けが人なし。放火の疑い

10月5日午前6時ごろ、通称ゴールデン街の長屋形式の飲食店1Fから出火、木造2階建同建物127㎡のうち、3店舗計45㎡を焼いた。建物の所有者は常泉花子さん(80)、7年前から休業中の1Fスナック「みち」より出火。同店と同じ1階のスナック「夕月」「〇羅治(わらじ)」、および2Fの「とまり木」もあわせ、計45㎡が焼けた。四谷署と四谷消防署で原因を調べているが、「みち」は7年前から営業はしておらず、2Fに住んでいた常泉さんも入院中で出火当時無人、同室内には火の気も無く、鍵も掛かっていたことから放火の可能性が高いと見られる。建物7部屋のうち、店舗が営業していたのは3部屋だった。

□1986年4月7日朝 7店舗が全半焼。地上げがらみの放火の疑い

4月7日午前4時55分ごろ、新宿ゴールデン街で火事があり、飲食店が入っている木造2階建ての建物2棟約160㎡のうち、約80㎡が燃え、スナックなど7店が全半焼した。この火事で全焼したのはスナック「たぐち」(田口寛一郎さん経営)とスナック「カルド」(稲垣ふみ子さん経営)、バー「K」(鈴木恵三さん経営)の3店。スナック「異邦人」、スナック「美香」など4店が半焼した。いずれも17㎡前後の店で、前日が日曜日とあって営業していた店はなかった。

参考記事:1987.06.12 読売新聞 東京朝刊27面より

東京・杉並区で地上げを狙って民家に放火した暴力団員3人が10日、警視庁捜査一課と杉並署に逮捕されたが、地上げ絡みの疑いがある不審火が、都内で二年間にこの放火事件を含めて少なくとも九件起きていることが、11日、読売新聞などの調べでわかった。最近、暴力団が地上げに暗躍するケースが目立っており、追い立ての手口も脅迫、暴力行為ばかりでなく建物の破壊にエスカレートするなど悪質化する一方。警視庁では、こうした動きを重視、地上げ屋の実態解明を急ぐとともに、犯罪行為については徹底的に取り締まることにしている。

地上げがらみの犯罪がクローズアップされてきたのは、都心部の地価が急騰し始めた二年ほど前からで、特に値上がりの激しい千代田、港、新宿区などでは、さまざまなトラブルが続発している。また、最近は居住者の追いたてに暴力団が登場するケースが増加し、手口はさらに荒っぽくなってきている。

放火は、地上げ屋にとっていわば最後の手段。入居者がいやがらせ、脅迫、暴力行為などをうけても立ち退きを拒否している所で、放火とみられる火災が起きている。六〇年九月、渋谷区富ヶ谷一丁目の木造アパート二階の無人の部屋から出火し、二十平方メートルを焼いた火災では、暴力団員が入居者に立ち退きを強く迫っていた。

また、昨年九月、千代田区神田淡路町一丁目の共同店舗三棟百四十平方メートルが焼けた火災でも、地上げ屋が暗躍、入居者がいやがらせを受けていた。同四月、新宿区歌舞伎町の新宿ゴールデン街で七店が全半焼した火災は、原因は四谷消防署の調べでも不明のままだが、ここでも地上げ屋と立ち退きを拒否する店主が対立していた。

武蔵野市吉祥寺本町の火災は、JR吉祥寺駅北口商店街の通称ハーモニカ横丁の洋品店が二度続けて外壁に放火された。ここも、再開発構想が浮上し、地上げ屋が暗躍している所だった。

これまでの調べでは、地上げ屋が入居者の立ち退きを工作している地域で起きた不審火は九件にのぼっているが、犯人を逮捕したのは、杉並区のケース一件だけ。このため、警視庁では、ほかの火災についても、都内各所に重点捜査を徹底するよう指示するなど、解明に全力を挙げている。

このほか、放火にまで至らなくても、昨年十一月、暴力団員二名が、立ち退きを拒否する入居者の腹を殴るなどしたうえ、部屋のカギを鉄棒でたたき壊して板橋署に逮捕されたほか、今年五月には、暴力団員三人が、入居者に「火をつけられた者もいるし、ノイローゼになった者もいる」などと脅して、城東署に逮捕された。また、地上げをめぐって暴力団同士の対立、発砲事件まで起きている。

資料協力:三光商店街振興組合


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若林ケン

ほんと良かったですね~。
一軒の不始末で全体に影響してしまう構造ですものね。

どうしても残しておきたい街ですよね。
by 若林ケン (2007-05-08 12:22) 

Tera

先日、区議選の立候補予定者からのアンケート調査でも「ゴールデン街の街並み、景観は新宿の観光資源であり残すべき」という意見が圧倒的に多かったです。
確かに、こういった街への愛着、想いというものはかえって経済活動や減災という視点からいうと足かせになる場合はあるのですが、では「街づくり」は誰のためのものなのか?と考えれば、歌舞伎町然り、ゴールデン街も然り、やはり来街者に愛される街でなくては生き残れない、意味が無いと思うんです。
となると、老巧化した街ですから確かに変化は必要かもしれない、しかしアイデンティティは守る必要があるのではないか、そのためには色んな工夫や努力を惜しまないというスタンスが地域にも行政にも警察にも求められているのではないか。

ゴールデン街は、ある意味今の歌舞伎町1・2丁目と同じような課題を抱え、縮図のようなところもあると感じます。ゴールデン街は外から見れば一つですが、実体は中で三つに分裂した街なんです。この各組織を中心にどうこれから動くのか、あるいは動くべきときが来てるはずですからここを注視しつつ、自分も出来る範囲で街づくりに必要な知識・情報を提供しながら、なるべく三方(来街者・店子・地権者)両得となりうる形へ促せればと思っています。

ケンさん、コメントありがとうございます。最近ご無沙汰ですがまた近くペイトンプレイスに伺いますね^^あ、玄さんの5週年ではお会いできますね。
by Tera (2007-05-08 18:11) 

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