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7月7日(月)グリーンバード歌舞伎町の活動-チームリーダーの杉山文野クン久々の帰国、インタビュー- [人]

グリーンバード歌舞伎町チームの活動報告も兼ねて。ポイ捨てはカッコ悪いよ、ということで街の路上に散乱しているゴミを拾う活動を続けるグリーンバード、その歌舞伎町チームが発足したのは一昨年の8月6日。チームリーダーは、ちょうどその年に自身の性同一性障害をカミングアウトした「ダブルハッピネス」(講談社刊)を出した杉山文野クン、歌舞伎町で生まれ育ち、また戦後焼け野原から歌舞伎町を創った鈴木喜兵衛氏の親戚筋にもあたる。

それからぼちぼち2周年を迎えつつあるこのごろ、自分もこのグリーンバード歌舞伎町チームの活動をサポートしながら、またそのコミュニティとしても楽しませてもらってきたわけだが、実はこのチームリーダー、杉山文野クンは昨年9月以来ほとんど活動には参加していなかった。というのは、本人がいつも「ゆる~い感じで」と言うわけではなく、彼自身が海外に語学留学を兼ねて“自分探し”(プチ中田英寿風:本人談)の旅に出ていたからである。昨年9月、イギリスのケンブリッジに語学留学、その後休みの合間に欧州を回ったり、また学校を終えてからは欧州から東欧、アフリカへと“オナベ一人旅”・・・最初イギリスに行った時は4ケ月ほどなんて言ってたような気がするんだが、それからかれこれ10ケ月、2月に仕事の関係で一時帰国はしたけど、それからまた海外のとんぼ返り、そうしてしばらくぶりに彼が日本に帰国した。

DSC04377.JPG7月7日のグリーンバード歌舞伎町チームの七夕ゴミ拾いにて

DSC04385.JPGこの日のゴミ拾い参加者は44名・・相変わらず大所帯な歌舞伎町チーム^^;

たまにはゆっくり話でもしようかってことで、インタビュー風に。

DSC04343.JPG杉山文野クン(ブログ、NHKハートをつなごうハートネットブログ

Q、どうだった?海外は。

「自分と向き合う機会も多く、なんで向こうに行ったのかとか、向こうで何が見たかったとか、逆に行ってから見えてきたり自分が何にこんなにモヤモヤしてたのかが見えてそれがスッキリした。性同一性障害とは一生関わるのかもしれないですけど、そことのケリは今年でつけれるかなと。」と文野クン。帰国してすぐNKH教育の番組「ハートをつなごう」などにも出演し、その際にも言ってたことだが、文野クンは来年早々にでも手術をする決心をしている。ようは脳は男で体が女のアンバランスにケリをつけるという意味。「戸籍上での男か女かというのではなく、自分の中でのケリは今年でつける。自分の心がそこに囚われてた割合が多かったので、そこがなくなったらだいぶ違う事がもっと楽しく生きれるんじゃないかなと、そう思った時に、何がやりたいの?と言えば、この町(歌舞伎町)に関わってなんかやっていきたいというのは強いし明確なビジョンはまだもちろんないけど、面白いことをみんなでワイワイ出来たらいいな、どういう風に形にし、どういう風に収入に結びつけるかというのが来年からかな。」

Q,海外に出ていろんな縛りやしがらみが消えて自分を見つめなおしたってことかな?

「一回全部それがなくなったのは大きい。グリーンバード、シブヤ大学、フェンシングを教える、ダブルハッピネス・・中途半端にメディアに出ちゃったから、自分がどうしたいかよりも、どう見られたいかをむちゃくちゃ気にしてた・・それが一番の迷いの原因だったというのがわかったし、わかってたのか、分かってなかったのか、なんだかよく見えなくて、何にモヤモヤしてたのかもわからなくなってたし。アジア人には女に見られることはまずないんだけど、結構欧米系の人には女に見られる。体が小さいというのもあるとは思うが。最初イギリスに行ってすべての自信を喪失した。」

Q、自身喪失とは?

「日本だと、ダブルハッピネス出しましたとか、ある程度社会的に受け入れられましたとか、前は表に出せなかった部分がそれでも認められたよというのがあった。
まず、言葉がしゃべれない。中学生のコとかと話してたって、しゃべれるコのほうが賢いというか、意見が言える。自分の意見が言えないというというバカさ、こんなに言いたいことがあるのに自分なんて外見にもろコンプレックスがあるじゃないですか。でも、中身を外に出してコントロールすることで保ってきた部分が、言葉がしゃべれないからまず中身を外に出せない。そうすると、そこにあるのはただの『女体』なわけで。だから、コンプレックスしかないんですよ。
それがまず一つですね。
それで、言葉通じない、最初入ったクラスでは30点満点でみんなが25点、24点、26点・・・でフミノは11点、一人だけかろうじて二桁取れましたみたいな。
そこからスタートで、ましてしゃべれない分、まわりもコイツ男なの?女なの?Sheなの?Heなの?と、彼らも聞いてこないしこっちも言えない見えない壁みたいなのが、カミングアウトする前にもどったかのような悶々としたものもあり、余裕もないからしゃべることもできないし、みたいな兎に角ベッコリ凹んでたんですよ。
ひたすら勉強もしなきゃ、恋愛も引きずってる部分があったりとか、すべてがウダウダで、ウダウダしてる自分も嫌だしどんどん自信も無くなり、その自信の無さがまた女体化するんですよ・・・で、女体化してまた女に見られ、女として扱われ・・・

日本だと、男扱いされることが多かったので、男としてのフィードバックがもらえるんですよね。それで作れてた自分がそのフィードバックが無くなるとどんどんまた女体化していくんですよ。それが気になって気になってしょうがないし、気になっている分、どんどん自分が女に見えるんですよ。その辺の感情というのは自分でもよく分からないんですけど、明らかに女体化しているというのをひしひしと感じてた。もしかしたら女なんじゃないか・・・?あれ???

そこから、ある程度言葉がしゃべれて、中身を外に出せるようになってきて、とはいえ男と対等に渡り合えない感がまたあって、やっぱりそうは言っても女に見られてるんじゃないか、回りが気を使っているだけじゃないかとか、そう言うのを気にしている時やっぱり女(ニョ)なんですよ。徐々にはコミュニケーションが取れるようになって自信回復してたんだけど、それがまた旅でべっこり凹んで。
イスラム圏に行った時とか、日本人の女というだけで兎に角オッサンたちが寄ってくる。イスラム圏の人たちって、自国の女の人がガードが硬く、日本人の女は軽いと思われてるらしく、自分も女に見られてオッサンとかが寄ってくるんですよ。まず質問がどこから来た?日本からだって言うと、一つめの質問が結婚してるのか?ですよ。こんなにオッサンたちにセックスの対象として見られるという、こんなに屈辱的な思いはそれこそピラミッドどころじゃないんですよ。。。。
で、とにかくお茶しようみたいな、ナンパされるんですよ。『うわぁぁ・・;;』と思って、その屈辱、とは言っても本気でやりあったら体的に負けちゃうというオナベ一人旅の恐怖というかその時悔しさを思ったりとかあったし、それから仲良くなって海行こうとか言われても脱げないしとか、常にそんなことを気にしたりとか。それが、日本に帰ってきたら、それまで凹んでた部分が急に無くなって、ギンギンに、というか、ふつふつとパワーが湧いてきて、たぶん反動みたいのが出て、なんの自信だかわかんないですけど無駄に自信がみなぎって来ててレベルアップした感じですよ。今は男体化している自分を感じていて、感情を自分でうまくコントロールできなくてコレですよ。いろいろあって、でもおかげで自分が何に囚われ、何に縛られてるのかに気付いた。性同一性障害云々ていうのは、今年ケリを付けて、来年年明けに手術しようと決意した。」

やはりコミュニケーション力というのは本当に大事なんだなと。しかし、一方で、そのコミュニケーション力を奪われたことによって自分自身とまともに対峙することによって改めて自分の心の声を聞くことができたということなのかな。「人と話すことで、自分を確認しているとしたら、相手と言葉でコミュニケーションが取れないと
何やってるか自分の中でよくわかんなくなるんですよ。」と文野クン。帰国して、自信回復というか無駄に元気な彼が言うには「またヒゲが濃くなってきたりして、人間の体って面白いなと・・」へ~・・・そういうものなんだ^^;

DSC04393.JPGグリーンバード歌舞伎町チームにも、文野クンと同じFTM(Famale to Male、体は女性であるが性自任は男性という性同一性障害)のコたちがわりとたくさん参加してくれている。7月7日のときは、なんと10名。ここではセクシャルマイノリティじゃなくてマジョリティだよ(笑)と。彼ら個々にそれぞれ事情も違うだろうし、プライベートではレディとして生きている人達もいる。それでも、ここでは自分でさえ平気で「どっち?」と気軽に言えるような環境ができている。ややデリカシーの欠けたかのような会話も、むしろお互いに気づかいすることもなく、また少々辛辣でもここだけならとある意味免疫にもなっていけばいいんじゃないかと、これは個人的に思うことだが。文野クンは、内側をさらけ出すことで認められ、それによって自分を成立させたと言っていた。しかし、現実的にはそれすらもなかなか許容されない、あるいはされないかもしれない恐怖があるのであって、ありのままの自分でいたい一方で、そのことができない現実社会の中で生きていることを思えば、言葉というコミュニケーションツールを失った海外に立ったばかりの文野クンとそう変わらないようにも思う。そう言う意味で、グリーンバードの中でも歌舞伎町チームだけの特殊性ではあるが、これはこれでいいコミュニティを形成しているのではないか。

「眠らない街」歌舞伎町、歓楽街としての魅力と低炭素社会実現との矛盾、そして両立に向けて

文野クンとは、そのあと歌舞伎町の景色を眺めながら環境問題に話が及んだ。ちょうど洞爺湖サミットが開催中(7月7日より9日まで)、今回のサミットの主要テーマは食品や燃料の価格高騰やアフリカの貧困問題、そして地球温暖化対策に主要先進国がどう取り組んでいくのかということである。とりわけ、議長国である日本は、先だって6月、福田総理が表明したように、日本としても温室効果ガスの排出量を2050年までに60~80%の削減を目標としているということもあって、焦点は長期目標に盛り込むことに慎重なアメリカを巻き込み、またG8以外のインドや中国をも開きこみ世界的な目標として2050年までにCO2排出量を50%削減という目標を「検討」から「合意」へと格上げできるかどうかというところにある。現実として、50%、あるいはそれ以上のCO2排出量削減となると既存の技術だけでは到底及ばない数値であることは明白で、そういった意味で化石燃料へのエネルギー依存からの脱却し低炭素社会への変革、CO2排出量0の原子力や太陽光発電へと大きく舵を切り替えることだけではなく、いわば政策そのものがライフスタイルの在り方にまで踏み込んでいかざるを得ない、そうでなければ地球はもうもたないというのが国際社会の共通認識ではある。

そういった中で、東京都もはじめとして全国各地の自治体で24時間営業のコンビニエンスストアの深夜営業規制が検討されている。今のCO2排出量削減のベースは電力消費量にあるから、そもそも電力消費を減らすことでCO2排出量を削減していこうというもの。だが、一方で、深夜営業のコンビニが特にローカルでは防犯上の役割を果たすほか緊急時の物資供給等のライフラインとしての防災上の機能などもある。業界側の試算であるが、深夜営業が規制された場合のCO2排出削減率は4%(日本全体から見て0.009%)にとどまるという。深夜の営業を規制しても冷蔵庫などは稼働しつづけ、また物流が日中に集中することの不効率によってこの程度の削減率にしかならない上に、既存雇用者の失職などといった問題につながるとして業界は反対しているようだ。

丁度、この話の流れ、歌舞伎町「24時間特区」構想に非常に酷似しているように思える。

※歌舞伎町「24時間特区」構想(簡略)

歌舞伎町をかつての「眠らない街」としての再現を目指す。現在、風適法及び関連都条例によって営業時間が規制されている社交飲食業(営業可能な時間は日の出から深夜1時まで)。これを規制緩和し、歌舞伎町は営業時間の規制を受けない特区を目指そうという構想。

現実として、深夜の社交飲食業の営業は違法であるがゆえに暴力団の脅し材料になりやすく、ミカジメ料などの暴力団資金源インフラになっている。この時間を合法化することで暴力団の資金源を枯渇させる。また、とくに繁華街の治安維持は警察力よりも民間の衆人環視がもっとも有効であり、日夜人が絶えない街、あるいは特に路面店のシャッターが閉じない街であれば治安は飛躍的に向上すると考える。昨今の繁華街対策において、法令遵守ということでかつては見逃されていた社交飲食業の深夜時間外営業の規制強化によって、むしろ昼間に風俗店が営業時間を延ばすケース(朝キャバ、昼キャバ、あるいはホストクラブの1部2部制など)が目立つ。これによって、かつては昼間は昼間の、夜は夜の顔として差別化ができていた繁華街の風景が昼夜混在し、むしろ風俗色の強い印象を全日を通じて醸し出されている。これにより、多面的な顔を持ってこその街であったはずの歌舞伎町はその魅力を損ないつつある。むしろ、昼間の営業自体を規制してでも夜の景色を復活させ、昼と夜の顔をそれぞれ取り戻す必要がある。現在、歌舞伎町よくしよう委員会としては、この24時間特区の実現を最大目標に掲げ、これを実現しうるような街づくりをすすめている。

杉山文野クンとお茶しながら、ふとネオンで明るい、そしてタクシーで渋滞している深夜の区役所通りを眺めながら、ふと彼が話し始める。

「たしかに、日本のコンビニって異常な世界だなって思いますよ。海外にないもん・・みんな夜寝るし。夜買い物する必要ないし。便利便利って言うけど、じゃぁ便利ならいいのかというと、たとえばケンブリッジにいて、夜なんて何もやってないんですよ。でも、そういうとこに行けばそういうライフスタイルになるだけなんで、酒呑みたいけど酒売ってないよって、なったらなったでしょうがねえなってなるし、じゃ、呑むんだったら今度早いうちに買っとこうってなるだけで、別にいつでも買える必要はないと思うんですよね。環境環境って、言いすぎなのかもしれないけど、でも本当にヤバイですから。
たとえばたった0.01%かもしれないけれど、その積み重ねが必要なわけで、じゃこの0.1%はいいよ、あそこの0.01%はいらないよって言ってたら結局どうにもならない。自分26歳で、自分の人生の範囲くらいだったらまぁなんとかなるかもしれないけど、じゃぁ、このままみんなが好き放題やってたら次の世代はないな。日本で環境環境って言ってるけど、自分思ったのは世界中問題だらけなんですよ。日本のように恵まれてる国こそやらなければならないと思うんですよ。ナミビアとかエジプト行ったって、みんな自分たちのことで精いっぱいな暮らしをしてる人たちに環境って言ったって無理だし、そういうところと比べて、やっぱり日本は豊かな国だなと思うわけですよ。何がニートだ引きこもりだって言ってるんだって。そういう国に生まれたからこその責任みたいなのが絶対あるし、こんなに恵まれた国のヤツが自分のためだけに生きてたら多分バカだと思うだろうし。

自分思ったのは世界中問題だらけなんですよ、ホントに。世界中に物乞いの子供たちがいるっていうのは、日本にいて実感はわかないけど、実際に街を歩いてて子供たちに金をクレって言われて、断わってけられたり唾はかれたりすると、ああ、やっぱり人類みな平等なわけないなと。平等なわけ無い中で、だからと言って罪悪感を感じる必要は全然無いとは思うし、豊かな国に生まれて本当によかったなと。そういう国に生まれたからこその責任みたいなのをもう少し感じるべきと思う。
考えるべきは、こういう国に生まれて自分が嬉しい楽しいハッピーなだけで、そこは確かに大事で充実してなかったら次にはなかなか行けないけど、そこはある程度早めに自分を保てるだけのものがクリアできれば、環境とかそういう違うものにアプローチするっていうのは当たり前のことだと思うんだけどなぁ。」

環境のことを真摯に考える、たとえば街づくりにおいても低炭素社会への変革という命題はこれから絶対に避けられないテーマだし、あるいはそこにビジネスチャンスだってありうるかもしれない。しかし、街が掲げようとしているこの「24時間特区」という構想は、まさにその正反対にあるようにも思える。そもそも、よくしよう委員会で議論している時もそうだったが、文野クン自身はむしろこの構想に異を唱える側で発言するケースはかつてからあった。

「歌舞伎町は眠らない街でいいじゃんって言うのと、でもそこに環境を絡めると全然ま逆に行っちゃうというのが結構悩んでたんですよ。歌舞伎町を24時間特区にして世界一の繁華街にしましょうって言って、その世界一の繁華街が人もイッパイいて混沌としてるけどめちゃきれいだとか、モデルケースになるような、あの街でこれができるんだみたいな、たとえば24時間特区にしたけど、電力は全部クリーンエネルギー使ってるとか。
でも綺麗になっちゃったら歌舞伎町じゃないというのはあるんだけど、でもそういう人間ってすべてのことで矛盾を抱えてる。矛盾してて当たり前だし、その矛盾の中の落とし所は、たしかに24時間特区やろうって言うならやったら絶対面白いと思うし、でも、環境にやさしい24時間特区というか、全然矛盾してるようだけどここを考えるべきなんじゃないかな。」

低炭素社会実現という意味で、繁華街の存在ってどうなのか?と考えてみる。これはやや個人的な考えではあるが、そもそも繁華街のニーズは減っていくだろうし、あるいは減っていった方が環境には優しいのかもしれないなと。一つは、ネット社会の高度化と普及が、いわゆる対面接客を伴う繁華街の必要性は減っていくだろう。たいていのものはネット通販で手に入る。クレジットカード社会がキャッシュレスを生み、つまるところ繁華街に残るのはリアリティのあるもの、たとえばコミュニケーションの場であったり、それこそ風俗かもしれない。物販なら、アンテナショップ的なものだけが残る。となると、繁華街って、これほど広範にたくさんある必要もないし、むしろ減っていった方が環境には優しいように思う。その意味では歌舞伎町も同じ。リアリティのあるものだけが残るだろう。

だが、一方で歓楽街というもののニーズ、あるいは欲望の受け皿とでもいえばいいか、そう言ったものは必要だろう。ちょっと心理学的な話に飛ぶが、そもそも人間は外的要因によって心が上げ下げする、波が生まれるのが健全であって、逆に外的要因なしで心が上げ下げするのを一種の病、つまり躁鬱と言える。だが、現実社会には、どうあがいてもレールの上にしか生きていけない人、望むと望まざるとその職場なり環境に身を置かざるを得ない人たち、そしてそこには望まない外的要因だけが存在するから心を閉ざさざるを得ない人たち、よってストレスを内側にため込み続けている人達が多数存在する。たとえば公務員、志を持って職場に入るも、時とともに魂を失っていく、そのような人たち。彼らは、ほっとくと心の病気になる。それを、ある程度矯正する場所が、いわば外的要因にあふれ、猥雑と魅力が混然としているたとえば歓楽街などの存在意義である、と考えている。つまり、ライフスタイルの多様化による深夜娯楽というマーケット的側面もさることながら、いろんな意味で受け皿なのではないか。

だがしかし、今の時代、もはやそれ以上に地球温暖化に対する対策、つまり環境にやさしいまちづくりは最重要なテーマになりつつある。となると、その時歌舞伎町を見回すと、まだまだ手つかずの悪環境が放置された状態。ゴミ問題、下水、老朽化ビル、そして無駄な電力消費。ふと思ったのが、これって何かのビジネスチャンスがあるかもしれないということだ。

深夜のネオンを見ていて二人でこれかもしれない、と思ったのが看板や照明類、煌々と夜空を照らすこのネオン類。これは先日ニューヨークのあるマンションの話を思い出した。やや家賃は相場より高いのだが、室内照明からすべてがLED(発光ダイオード)を使用している。LEDは一般的に白熱電球に比較するとほぼ7%の電力消費である。しかも寿命はかなり永久的。これによってCO2排出量を大幅に低減させ、またこういったマンションに住居を持つことがそもそもステイタスになっている。この話を文野クンにすると、「看板とかあれだけ点いてるけど、エネルギー効率とかを考えるとか、全部発光ダイオードに変えるとか。たとえば24時間営業の店を出してもいいけど、室内照明から看板まで全部LEDにするとか、そういうことを街のルールとしていくとか、あるいはお金がある事業者はどんどんそういうところに金を使うっていうのもありじゃないかな。古き良きも残しつつ、でも新しく店を出すとか作るとなれば、多少コストがかかってもそういうルールのもとで出したいって人は出したらいいし。歌舞伎町の産業構造で、おそらく中核になりつつあるホストクラブなんて、たとえばホストクラブも夜営業していいかわりに看板から室内照明から全部LEDにしろとか。それめちゃ面白いじゃないですか、夜のロハス。で、そういうところが一番儲かっててってなれば、みんなマネするじゃないすか。」と。

たしかに、現在ホストクラブやメンキャバなど、確かにいろいろヤンチャな部分は多い業界ではあるが、その経営範囲は結構多岐にわたっていて、酒屋やバー、美容室やデザインオフィス、そしてイベント主催やテナントコンサルタントなど幅はどんどん膨らんでいる。それはそもそも業界そのものが否が応でも街の中心になってきていることの証であり、だったらその業界から環境を切り込んでいくというのはアリかもしれない。ちょうど文野クンや自分らの仲間でもある手塚真輝クン(夜鳥の界代表、ホストクラブAPiTS&Smappa!Group代表)の話題が出て、彼が掲げてる夜のロハスもこれなら地でいけるかも、なんて話になった。

でも、まぁ歌舞伎町なら歌舞伎町らしく「そういうところはあまり前面に出さないで、だけど裏ではしっかりやってるみたいな街にしたいですね。」と文野クン。たしかに、そうかもしれない、可能であればね。


ハイジア地下の地域冷熱プラント有効活用は、歌舞伎町のCO2排出量を50%削減可能

DSC00548.JPGハイジア地下にある地域冷熱プラント(新宿熱供給株式会社)

平成2年より計画がスタートし、四葉会(シネシティ興業4社:東宝、東急レクリエーション、HUMAX、東亜興業)の総合一体型再開発を想定し、ハイジア竣工(平成5年)とともに地下に設置された地域冷熱プラントがある。現在稼働域はハイジアと大久保病院内に限られているが、そのポテンシャルは西武新宿駅から歌舞伎町全域の地域冷暖房を一体的に供給できるもの。プラントの設備・運営は新宿熱供給株式会社。

ハイジア地域冷熱資料03.jpg ハイジア地域冷熱資料02.jpg ハイジア地域冷熱資料01.jpg

地域冷熱というと、池袋のサンシャインなど都心の大規模再開発などに採用され、広範なエリアの建物の熱供給を一体的に提供するプラント。排熱利用などその都度最新の熱効率の高い設備で運営するもので、実際に計算上では現状のインフラがこれに更新出来れば地域のCO2排出量は50%以下に抑えることができるという。現実には、コスト面で、設備投資のイニシャル分がランニングコストに反映されるため、事業者負荷は大きくなるように思われるが、その規模によってであるが、劇場街クラスの規模なら約25年で元が取れるという。

CO2削減だけではなく、メリットは他にも多い。たとえば、建物の屋上活用。通常建物屋上には、電力系統のユニットやら空調室外機などで埋め尽くされ、ほぼ利用不可能な状態。これを地域冷熱を使用すれば、空調室外機スペースはおろか電力ユニットもさらに小規模なものでよくなり、つまり屋上が活用可能になりうる。ワンフロアとして活用するのも一つだし、あるいは遮熱タイルなどを整備してさらに建物自体の熱効率を上げたりCO2削減のための屋上緑化をすすめるなどが可能になってくる。このプラントは、約5kmの配管をめぐって170℃の蒸気が約4℃下がる程度で戻ってくるほど熱効率は高い。四葉会は一体での共同再開発はすでに難しい状況ではあるが、それでもなお未だにこの地域冷熱プラントの採用すら決定できないでいる。

あくまで、建物の更新に伴って一斉に採用した総括的な机上の計算であるが、少なくとも採用したエリアのCO2排出量が50%以上削減でき、またそもそもの電力供給が太陽光や原子力といったCO2排出量0の発電によるものとなれば、福田総理の「60~80%削減」というのも絶対あり得ない数値ではないというのが想像できる。

だが、環境というのはその技術力を裏付けするだけの、さらに言えばインフラそのものの在り方にかかわるだけに、非常ににコストがかかる。このコストを環境先進国のドイツでは政策が先導して電気料金の小幅な値上げによってまさに国民が負担している例がある。さて、日本はどうなるだろう。税負担を重くしても、国民の大多数が政府・官僚を支持していないし信用もしていない。だが、この負担なくして低炭素社会はどう間違っても実現しない。となると、政府・官僚のまずは信頼回復が先ということになるのだろうか。

明日、洞爺湖サミットは終了する。G8の限界というか、最後の提言はどうしたって玉虫色なものになるのは目に見えている。福田総理がどれほどこれに真摯に立ち向かっているのかはともかく、アメリカの合意を最後に取り付けたことは評価できる一方、ときおり見え隠れする『環境対策を全面に出しておけば反対意見が出にくい』からこその低炭素社会実現という政策がそのほかにも様々な課題として山積する国内問題をオブラートに包む一種のスケープゴートに見えてしまうところが政府のどこか覚悟の足りないというか、底の浅さを感じざるを得ない。

そんなことはともかくだが、「24時間眠らない街」を目指す歌舞伎町のまちづくりにも、だからこそこういった「環境にやさしい街づくり」という視点の必要性は高い。一見24時間特区実現のハードルを上げるようなものだが、そうは言っても決して環境配慮なくまちづくりを進めるわけにはいかないだろう。現在、よくしよう委員会では「歌舞伎町宣言」なるものの策定を進めているが、この視点も念頭に含め進めていくつもりではある。

DSC00591.JPGハイジア屋上


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鎌倉市七里ガ浜町内会員

私は神奈川県鎌倉市七里ガ浜町内会の者なのですが、七里ガ浜海岸にセブンーイレブンが出来てから、
暴走族、改造車族、旧車会、深夜花火族などが集まり、一晩中続くロケット花火の騒音で、
住民の中には不眠で入院するものも出ました。
セブンーイレブンに買い物客以外停めさせるなと言っても、完全無視。
そこで、今では、鎌倉市民の税金を投入して警備員を雇い、7月1日から8月31日までの午後9時から朝の5時まで、
毎日七里ガ浜海岸を警備しているような状態です。
セブンーイレブンは、「巨悪」そのものですね。
七里ガ浜セブンーイレブンは、深夜でも2~3分おきに車が入って来て、驚きます。
暴走族の苦情も多く、毎日、毎晩、110番され、警察が取り締まりに来ますが、
セブンーイレブン駐車場の中なので、道路交通法で取り締まれず、警察も苦慮しています。
あれは鎌倉とは思えない光景で、環境破壊そのものです。
一度、見てやってください。驚きますから。
そのあまりにヒドイ様子を写真やビデオで撮って、いろいろな人が公開してくれると嬉しいです。
by 鎌倉市七里ガ浜町内会員 (2008-07-18 20:25) 

Tera

七里ガ浜のセブンイレブンというと、丁度まん中あたりですね。確かに駐車場が広かった。

七里ガ浜というと、やはりサーフィンというイメージと、湘南にあって由比ヶ浜や江ノ島とは異なり落ち着いて風や波の音を聞ける心を洗える場所という印象だったのですが話を聞くと夜はそんななのかと、非常に残念です。

セブンイレブンを悪の根源と言い切るのはどうかとは思いますが、近隣配慮が足りないのは明白なんでしょうね。
ただ、セブンイレブンの駐車場に花火禁止等様々な掲示がされていましたが、そういうことよりむしろ、七里ガ浜とはこういう場所だと、この浜の魅力をもっと打ち出すことで、たとえば「そういう場所なら汚せないな」と思ってもらうような発信も有効かもしれません。

若い人たちも、結局ハメを外せる場所を探していて、しかしこういう時代ですからなかなかその受け皿がない。繁華街ではお金もかかるし、衆人監視がきつい。そこで、こうした状況が生まれてくるんでしょうから、では、なぜ、この場所で騒いではいけないのか、住民エゴとしてではなくちゃんとしたロジックを組み立ててそれを説明していくという作業ができたらいいのではないかと、そんな風にも思います。

by Tera (2008-07-21 05:17) 

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