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10月6日(月)15時より、新宿コマ劇場において「よるみかじめ料不払決起大会」(主催:新宿繁華街犯罪組織排除協議会・警視庁新宿警察署・新宿区 後援:財団法人暴力団追放運動推進都民センター)が開催された。新宿繁華街犯罪組織排除協議会とは、歌舞伎町地区、大久保百人町地区、新宿駅東口、西口の各地区の商店街・企業グループなどが参加し、地域における暴力団や国際犯罪等犯罪組織の排除を目指すもので平成15年7月に設立されたもの。歌舞伎町地区でいえば、歌舞伎町商店街振興組合を中心に新宿社交料理飲食業連合会(SRI)、新宿歌舞伎町ホストクラブ協力会(SHA)、新宿カラオケ業防犯協力会、歌舞伎町二丁目町会、歌舞伎町二丁目商興会などがここに参加している。

DSC00028.JPG下村得治新宿繁華街犯罪組織排除協議会会長

暴力団、国際犯罪組織追放三ない運動スローガン

今回開催された「みかじめ料不払決起大会」は、新宿繁華街犯罪組織排除協議会の活動において、特に暴力団等の資金源枯渇に向けて特化したキャンペーンであり、これが二度目の開催にあたる。第一回目開催は一昨年の12月7日(関連記事)で、前回は約1,200名が参加した。今回は、今年で閉館になるということもあり新宿コマ劇場を会場とした。開会は午後3時より、下村得治新宿繁華街犯罪組織排除協議会会長から開会の辞の後、高松義典新宿警察署長からの挨拶、そのあと来賓として中山弘子新宿区長、三浦正充警視庁組織犯罪対策部長、そして石原慎太郎東京都知事と続き、さらに街としてのみかじめ料等不払決起文読み上げが行われた。参加者は約900名だった。

DSC00034.JPG新宿警察署長・高松義典

「本日の大会は、一昨年のみかじめ料不払宣言に続き大変大きなとなりました。今回の決起大会は、暴力団には絶対みかじめ料は支払わないということを改めてここで決意をしていただき、また暴力団排除の気運を一層高めていただくためのものです。
新宿の暴力団排除に関しましては、協議会の皆様をはじめ多くの方々と、協議会の発足以来幅広く、且つ力強い活動を展開していただき、街の環境浄化と合わせて非常にご熱心に取り組んでいただき、新宿警察署といたしましても皆様のご尽力に心から敬意を表する次第でございます。本当にありがとうございます。
さて、新宿の暴力団に関しまして若干説明をさせていただきます。新宿の暴力団、表面的には構成員の数は若干ではございますが減少傾向にあります。ただ、彼らの資金源獲得の手段につきましては、年々巧妙化、あるいは潜在化をしており私どもの目になかなか見えづらくなっているのも事実です。その一方で従来からのみかじめ料等の要求行為は、非常に根強いものがございまして、また、これらが彼らの資金源の大きな一つになっているのも事実です。したがいまして、暴力団排除をここでより一層推進していくためにも今こそ従来にもまして、私ども新宿署と地域の皆様が団結して、彼らの資金源を遮断していくことが求められているのではないでしょうか。
新宿署では、安全・安心、新宿の街実現のために署員一丸となって総合的な犯罪抑止対策を推進中であります。併せて、繁華街を中心とした暴力団の資金源の犯罪検挙、さらには排除活動を大きな活動の柱とし、徹底した取り締まりと対策を進めていくところです。とりわけ新宿という日本を代表する繁華街でありますので、ややもすると皆様方が直接、あるいは間接的に不当要求に関わりかねない所です。新宿署、署員一丸となって暴力団資金源対策を進めているところですが、具体的な例を申しますと本年になりましてからも、皆様がたの情報によりましてみかじめ料をもとにした恐喝事件の被疑者を検挙しています。また、みかじめ料の要求行為に対しましても今年15件の中止命令を発出しているところです。この様に、新宿署としては、資金源犯罪に対し、あるいはその要求行為に対しましては、強い姿勢をもって臨んでいるところです。今日、この決起大会を機にいたしまして、新宿署といたしましても今まで以上に暴力団の対策を進めている所存です。どうか、今日ご出席の皆様方には更なる連携とともに裏表の無い強い信念をお持ちいただき、今回のメインポスターにも書いてございましたが、断わる勇気、断ち切る勇気で今後とも暴力団の排除活動にご尽力を賜りますようお願い申し上げます。
新宿の街のシンボルとして長い間、新宿の街を見続けてきたコマ劇場が間もなく閉館となります。新宿で仕事をしている私自身も非常に寂しい限りでございますが、どうか今日のコマ劇場の決起大会、皆さんで暴力団排除の声を、都内はもとより全国に声を高く高くしていただきたいと思います。
この場を借りまして、勝手ではございますが、私どもからもう一点皆様方にお願いがございます。すでにご案内の通り、只今振り込め詐欺の被害が全国的な問題となっています。親が子を思う、祖父母が孫を思う気持ち、これを弄ぶような、大変卑劣な許し難い犯罪です。今年に入り、都内の被害が実に3,200件を超え、被害総額も51億円を超している。警視庁では、今月10月を振り込め詐欺の被害撲滅月間と位置づけ、総力を挙げ、検挙・防止対策に取り組んでいるところです。どうか、皆様方が被害に遭わぬのはもちろんでございますが、是非、お近くの方、お知り合いの方にも一言ご注意をお願い出来ればと思います。とりわけ高齢の方がATMのところで、迷ったような雰囲気で操作をされている方がいましたら、是非一声お掛けいただければと思います。どうかご協力をよろしくお願いします。」

DSC00050.JPG中山弘子・新宿区長

「日本最大の繁華街と言われる歌舞伎町地区は、繁華街の環境浄化対策のモデル地区として全国から注目を集めており、安全で、誰もが楽しめる街へと再生するために、地元の皆さんを中心として積極的な清掃活動や合同パトロール等に取り組んでいただいております。また、皆さんと平成17年から進めている歌舞伎町ルネッサンスも今年7月にタウンマネジメント組織を立ち上げ街全体が一体となって安全・安心な街づくりに取り組んでいるところです。私は、安全・安心で誰もが楽しめ、住み続けられる素晴らしい新宿の街を皆さんとともにつくっていきたいと考えています。
誰かの弱みに付け込んだり、脅したり怖がらせたりして利益を得ている犯罪組織が存在している地域は持続的な発展が決して望めません。
今日、この様に沢山の方が立ち上がり暴力団にみかじめ料を払わない!ということを宣言しみんなで手を組んで暴力団を排除し、素晴らしい街にするという活動をしていただけることを本当に心強く、また嬉しく思っています。
新宿区は地元の皆さんとともに警察署は勿論のこと関係機関と協力しながら、街はこれからも持続可能な発展ができるように、皆さんが愛着と誇りを持てる安全・安心の街づくりを皆様とともに進めてまいります。皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします。ともに頑張りましょう。」

DSC00056.JPG三浦正充・警視庁組織犯罪対策部長

「以前は、夜の歌舞伎町と言えば、暴力団や不良外国人を多く見かけ、訪れる方は、歩くにもいささか怖い思いをしていたものですが、最近では街の姿も大分変り暴力団の徘徊や煩わしい客引きなどは、目に見えて少なくなったと感じております。皆さんの活動が、警視庁が推進している四地区対策と相まって、新宿繁華街の環境浄化を確実に進めていることを強く実感するとともに、ここに至るまでの皆様のご尽力に深く敬意を表する次第であります。暴力団そのものに関しましては、都内における構成員数が減少する中で、山口組がその数を増加させ今や、都内で有数の勢力を擁するに至っております。更には、資金獲得活動の手法を巧妙化させ、暴力団の名称を隠したフロント企業による資金の獲得などを活発化させています。
警視庁では、歌舞伎町をはじめとする都内主要繁華街において違法店舗に対する取り締まりや環境浄化対策を推進しております。暴力団は、取り締まりを逃れるために、名義貸しや新たな違法営業形態の店舗を開店するなど活発に資金源活動を行っており、この様な資金源を封じこみ、暴力団を壊滅に追い込むことこそ我々の使命であります。とは申しましても、私ども警察だけではその目的を達成させることは難しく、ここに出席の皆様をはじめ地域の方々の協力があってこそ目的が達成されるものと考えております。皆様方におきましては、どうかみかじめ料等の要求には絶対に応じないという強い気構えで更なる団結をお願いいたします。
現在警視庁では各界の協力を得まして様々な場面、暴力団をはじめとする反社会的勢力の排除活動に取り組んでおります。本年5月に改正され8月1日に全面施行された暴力団対策法では、暴力団のみかじめ料要求行為に関し、暴力団組織のトップに損害賠償責任を負わせることが出来ることになったほか、自治体の暴力団排除活動への支援義務など、みなさんの後押しとなる法整備となりました。
新宿署におきましては、昨年施行された東京都住宅条例と、本年施行となった新宿区の区営住宅条例をいち早く適用し、公営住宅に居住していた暴力団幹部を退去させました。さらには、当地区の皆様のご協力により、区内の雑居ビルに所在していた暴力団事務所を撤去させるなど、まさしく官民が一体となった暴力団排除活動を推進しているところであります。
警視庁といたしましても、皆様方と連携し、新宿繁華街の更なる環境浄化を目指し、徹底した取り締まりや各種対策を強化してまいりたいと考えております。皆様方におかれましても、本日のみかじめ料等不払い決起大会を契機としまして、安全・安心な街・新宿繁華街の実現のため、引き続き暴力団排除活動にご尽力を賜りますようお願い申し上げます。」

DSC00072.JPG石原慎太郎・東京都知事

「来る前に、警察からちょっと指導いただいたんですが、驚くべきものでね、この東京都内の暴力団がですね、600組織あるそうですな。組員が全体で約1万7千人、そして日本一の繁華街であるこの歌舞伎町に、連中の事務所は50事務所、およそ1,800人の暴力団がいるようであります。これは、やっぱり大変な数字でして、皆さんそれぞれ真面目にお仕事されても、本当にご迷惑がかかると思います。
今日、みかじめ料を払わないという大事なキャンペーンの集まりですけれども、私みかじめという言葉、よく分かるようなわからないような、辞書を引きなおしてみましたら、これ、取り締まる、監督するということで、何が取り締まり監督するんですかね・・・。
ヤクザなんて、こっちが取り締まって監督しなくちゃいけない連中が、何を勘違いしてか、みかじめと称して、善良な都民・市民に、仕事からうわ前をはねるってのは、言語道断な話であります。
私就任してからですね、東京の治安、いろんな形で問題はありますけど、やはりこの種の問題もですね、厄介だと思って、特にまぁこの歌舞伎町ってのはある意味で有名というか、悪名高いというか問題の多いところでありましたので、当時、佐藤君という警察庁の長官に頼んで、一ついい人物を副知事にして
迎えたいんだと言って、2年間、竹花君という非常に優秀な人材をもらいまして、副知事として活躍してもらいました。
彼は、その時、いろいろ新しいことをやってくれたんですが、その一つとしてこの歌舞伎町をこんなじゃいかんと言うことで皆さんに呼びかけて、早速皆さんがこれに答えて下さってご努力いただき、大分この街の印象も変わってきたと思います。
この中にもヤクザが来てスパイしに来てる奴がいるかもしれないけど、まぁ、そのねえ、日本人ってのはヤクザってのが変に好きですなぁ。なんか映画で東映が流行らせたもんで、ヤクザって言うと男の生き道みたいに考えてるけど、ヤクザはヤクザでしかない。これは、なんか任侠とかなんかより人に迷惑を掛けないで良いことして生きてるヤクザなんて聞いたことが無い。そのいい例が、取り締まり・監督と称して、こういう繁華な街で皆さんのうわ前はねるというこういう仕事が彼らのメインビジネスの一つとなっているでしょうけども、大体暴力団っていうのは、ちょっと見込んで金になりそうなそういうのを見つけるのが非常に得意なわけでして、私どもがやってる行政、とくに警察とですね、市民が連携して防がなかったら、この国、この社会の本当の安定は無いと思います。
あの、申し上げたいことはたくさんあるんですけども、私ね、皆さんもご覧になっている方もいらっしゃると思いますが、ニューズウィークというアメリカの雑誌が日本版で日本に毎週出ている。
日本にいる人たちもコメントしているんですけど、その最終ページによく出てくる中国人でこの街に住んでて、案内人、ポン引きと称してる男が、石原と竹花が余計なことをしたんでこの歌舞伎町がすっかり変わって歌舞伎町らしくなくなったっていう・・・、歌舞伎町らしくなくなったというのは、この歌舞伎町が日本の社会らしくなってきたことですから。
これ本当に皆さんのおかげでね、これからやっぱりこの街はね、一般のお客さん、市民が安心してやってきて安心して遊べるそういう街に益々安定させていくことをですね、東京都も一生懸命お手伝いして行きますけど、なんて言ったって地元の皆さんが頑張らないとできない事でありますから、微にあたり細にあたりですね、何かお気づきになったこと、要求があったら、警察を通じてでも都庁にでも直接言っていただきたい。
これは、単に東京都、あるいは新宿のためではなくて、日本全体の安定のために、やはりいろいろ問題のあった歌舞伎町がこれだけ努力してこれだけ大きないい変化を得たということが非常に大きな範になると思います。
これからも一層皆さんのご努力、ご尽力を賜りますようお願いして終わります。ありがとうございました。御苦労さま、これからもがんばりましょう。」

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みかじめ料等不払決起文読上げ(関矢多嘉夫みかじめ料等不払促進委員長)

みかじめ料等不払宣言

「私たちは、暴力団の資金源となるみかじめ料などの一切の不当要求を断固たる決意のもと一丸となって拒否するために

のスローガンのもと、明るく安全で安心な街、新宿を目指し、みかじめ料等不払いをここに改めて宣言する。」

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大会終了後、参加した歌舞伎町地区、大久保百人町地区、新宿駅東口、西口の各地区の商店街・企業グループはコマ劇場前からそれぞれの地域にパトロールを行った。

DSC00087.JPG新宿東口地区

DSC00088.JPG新宿西口地区

DSC00090.JPG大久保百人町地区

DSC00091.JPG歌舞伎町地区(商店街等)

DSC00093.JPG歌舞伎町地区(新宿歌舞伎町ホストクラブ協力会等)

DSC00123.JPG歌舞伎町地区パトロール。歌舞伎町商店街振興組合の青パトを先頭に、中山新宿区長、高松新宿警察署長、みかじめ料等不払決起文の読み上げを行った関矢多嘉夫氏(新宿社交料理飲食業連合会会長)、歌舞伎町商店街振興組合の面々と続いて歌舞伎町一丁目・二丁目をパトロール。

私は、暴力団なんて認めない。断る勇気、断ち切る勇気

新宿繁華街犯罪組織排除協議会.jpg DSC00096.JPG(左)新宿繁華街犯罪組織排除協議会ポスター、モデルはこのブログでもたびたび登場している歌手として活動している中澤京子さん。今大会では司会進行役を務めてくれた。コマ前のセントラルロード側のLEDで客引き等迷惑行為撲滅のキャンペーン映像が流れているが、そこに出演してもくれてたり、また、歌舞伎町の音楽イベントや、グリーンバードのゴミ拾いなどにも時々参加してくれている。普段は新宿のライブハウスなどで歌手として活動している新宿系アーティストとして活躍中です。(中澤京子公式サイト)京子ちゃん、緊張感バリバリのMCで大変そうだったけど、ご苦労サマでした^^


石原都知事のコメントに出てきた「中国人でこの街に住んでて案内人、ポン引きと称してる男が、石原と竹花が余計なことをしたんでこの歌舞伎町がすっかり変わって歌舞伎町らしくなくなったっていう・・云々」ってのは李小牧氏のこと。李さんも有名だねぇ^^。ニューズウィークの彼の記事は、割と原稿を入れる前に度々彼の店(湖南菜館)で自分と喋ったヨタ話が結構ネタになってたりすることもあるんで友人として誤解の無いよう弁明しとこう。彼は、確かに以前は“水面下”の人だったけど、今はまぁ半浸浴なところは若干あるが、お店もやってるしもう表と言っていいかな。彼は彼なりに愛する歌舞伎町のために結構一生懸命いろんな所に発信してくれている。自身の故郷である中国に比べて、日本は、そして歌舞伎町はなんと自由なことか、だからこそ歌舞伎町を愛している。彼のインタビューをこのブログにも載せたことがあるが(李小牧インタビュー記事)、そこにもそれはにじみ出ているだろう。

どっちかと言えば、面白可笑しく若干大袈裟に書く、それが彼のスタイルだから誤解を招くところもあるが、何というか、街を作っていくという中で、みんながみんな大人しく行政や警察の意向に沿ってハイ、そうですねってやってたらそれはきっと本当につまらない街になっていく。歌舞伎町はそういう街じゃない。

その中で、やはり対極というのはあっていいし、そこで議論が生まれ、また街の人は考え、そしてより良いアイディアを生んでいく。先日のニューズウィークだったか、コマ劇場の跡地は地下30階、地上30階にして、地上は地上らしく表の商売、地価は地価らしく水面下的な街にみたいなことを書いていたが、笑っちゃうほどありえない話だが、でも本質をついているところがそこにはある。例えば、これは自分の活動だが、歌舞伎町の治安維持と安全、それと魅力を両立させる上で進めている上で一言でいえば歌舞伎町の可視化ということがある。より透明度を高め、資本が流入しやすい経済構造にしていくということなんだが、一方で、矛盾した言い方だが、街が全部可視化してしまったら今度は面白くない。見えない部分はあっていい。つまり見える見えないの濃淡、コントラストが強いのが歌舞伎町の魅力の一つである。それはやや演出的な要素もあるが、当然安全は担保されての上でのことである。これは非常に個人的な主張ではあるが、コマ劇場の跡地を民有地でありながら公園にしてほしいということを自分は言い続けている。ここでは今の段階ではその交渉のやり取りを詳細に書くことはまだ出来ないが、民有地でありながら公園として、しかし必要な収益をちゃんと生み出すそのアイディアをディベロッパーには提供したところ、とても興味を持ってくれた案である。だから、あながちありえない話ではない。

歌舞伎町において、中心はやはりコマ劇場であったし、これがなくなっても未来も同じくこの場所は街の中心であるだろう。だからこそ、中心には時代を追ってコロコロ変わる落ち着きのないちゃちな商業ビルを作るよりは、定点観測点のように一度作ったら50年は変化しない、変化しなくてもいい、それでも収益性の成立するそういうものを作らなくてはいけないと自分は思っている。それこそ、街の真ん中には緑のある、しかし見通しのいい公園にし、まん中にはガラス張りのピラミッドのようなものを作り、川や滝を配置する。さらに連担建築設計制度を使って容積を他の場所に委譲し、さらに地下には地域全体の分を自己完結できる熱源プラントになるゴミ処理施設を・・・なんて話なんだが、それはともかく、いわば歌舞伎町の真ん中に可視化の最たる施設を置き、そしてその周囲にはやや濃淡のある街構造を許容する、つまり李小牧氏はそれをタテに伸ばしてコントラストを強烈にしたようなものだし、自分のイメージは平面的に街全体を捉えてグラデーションをかけたような感じ。組み立ては実は似ているところがある。お互い街の可視・不可視の濃淡が重要だと思っているところは共通している。そしてお互いに極端な発想を持ってて、実際に行動もしている。

まぁ常に対極の中で伯仲し、その中で大人しく仲良く和を作るのではなく凌ぎあう。それが歌舞伎町のポテンシャルだと思っている。そして、今のこの街の状況においては、そうした対極の声をあげられる人材が一番重要だと確信している。なぜなら、今の歌舞伎町は本当におとなしすぎるからだ。まるでたいしたことのない既得権益の保護のために必要以上に空気を読もうとする団塊世代そのものだ。団塊世代が日本をつまらなくしている今の時代に、そのまぁまぁとか和とかそういうのが街をダメにしている。

自分はよくパトロールで、客引き連中や問題の多いメンキャバのコを捕まえてよくこんな話をする。大人しく言うことを聞いてくれるのはありがたいとは思う、だけど、なんか違う気もする。もっと跳ね返ってくればいいじゃないかと。言い分はあるはずだし、経営努力の形がたまたま法律に沿ってない部分があるだけで、本質的にはたとえば客引きには客引きの正義もあるだろうと。だが、その言い分をこそこそと裏で言うんじゃなくて、ちゃんと表に立ってものを言ってほしい、もしかしたらその当事者は戦わなくてはならないかもしれないしリスクもある、だけど誰かが当事者として前に立って本音をまっすぐ声にあげてくれないと、誰も君たちの言い分は聞けないよと。だから昭和33年以来全く法構造が変わってない現行の風適法みたいなグダグダな法律が現状と乖離したまま存在しつづけちゃっている、例えば、ホストからでもキャバからでも区議でも都議でも出してみろよと、そのくらいのポテンシャルはあるはずだと。

話がずれすぎてしまったので、もとにもどして暴力団の件へ。しかし、その現実と乖離した法構造というものが非常に暴力団の資金獲得に逆に有効な存在になっているということの認識が非常に重要なのだ。誰にも迷惑になっていない、告発が起きない、しかしニーズがあってだから許容されてしまう違法行為なんていうのは山ほどある。だが、そこに目をつけ、110番するよ、警察にチクルよ、問題が起きたら警察には頼れないでしょ・・・と、そこに暴力団が入り込む余地が生まれ、資金源に繋がっていく。つまり、法構造を、さじ加減や運用ではなく、規制を強めたり緩めたりといったことも誰にでもわかるように透明化しながら柔軟に現実にフィットさせていくことが歌舞伎町においても、また日本の経済においても同じロジックが必要だと思っている。そして、そうすることによって暴力団の入り込む隙間も無くなっていくし、無駄に仕事の多い、おかげでデーターベースもグダグダで隙間だらけの行政構造だって変えていける。

街に内在する暴力団の資金源なんていうのは、多くはそういうものであって、違法なものをなくして暴力団の資金源を断つのは確かに正しいが、街を現行法上の遵法一筋に変えることだけに集中してたらダメなんで、それを無理に縛っている法を変えていく、そして新しく繁華街の経済を適正化する法構造のもとで遵法な街にしていくことをしなければ決して犯罪組織の資金源は断てない。

僕らは街に出て活動をしている中で、おそらく警察以上に様々な情報を持っている。そして、いろんなトラブルにも遭遇する。街の中で起きるトラブルの多くはたいていグレーとグレー、あるいはグレーと黒の衝突が多い。そう言った話がよく相談という形で自分のところには持ち込まれる。事件性があれば、警察に言って事件化することをまずは進めるのだが、お互いに何かしら負い目があるから、なかなか警察には持ち込めないで悩ましい案件も多い。そこで、説得が効かず、しばらくすると大抵ヤクザに頼んで解決してもらったとか、結局裏で話をつけて自分らで決してよろしくない解決をしてくる。それがいいわけはない。そして暴力団は資金源を育んでしまう。

歌舞伎町の街づくりが、言うように全国の繁華街対策のモデルであり、仮にその範となるとしたら、行政や警察にとっての範としてよりも、うまくいくこともうまくいかないこともあって、その中身は時に反面教師になっても、街づくり市民活動としての範になれたらと思う。