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アミューズ大里会長インタビュー [インタビュー]

歌舞伎町をロックに染めたWE WILL ROCK YOU。これの最大の仕掛け人であるアミューズの会長にしてコマ劇場の会長でもある大里氏のインタビューから。

「まず観客動員数は16万6000人でした。5月27日にスタートして、8月24日まで実質104回公演(プレビュー公演含む)を行いました。コマ劇場は約2000人収容できますので、公演期間のフルキャパが約20万人。結果としては約8割強ということで、私たちとしてもよくがんばったという感じです。再演を望む声も多く、できたらやりたいですね。まずアミューズとしては12月1月にスティーン・カーナ-というデンマークの演出家で「ウーエン・イ・ウースト」という演目をやります。これはまったくのオリジナルでして、チャイコフスキーのくるみ割り人形をR&Bに仕上げて大好評を博している演出家で彼のクリエイティブスタッフとともに、日本、というか世界初の フィジカルシアター”というようなユニークな作品をシアターアプルから世界に向けて発信します。来年の5月には岸谷五朗、寺脇康文の「地球ゴージャス」をコマ劇場で6週間やります。その他にも幾つか企画段階ですが進めています。例えば、某韓国ドラマのミュージカル化ですが、韓国のトップミュージカルスターを呼んでやろうなんていう企画です。”韓流“のミュージカルブームを仕掛けられるかもしれない。とにかく今までにコマになかったような演目をどんどんやっていきます。」


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大里会長インタビューより、その2 [インタビュー]

エンターテイメント業界の一プロデューサーとしての立ち位置からのコメント

 

「まずシネシティ広場をもっと人の集まるところにできたらいいですね。単発のイベントだけではなく恒久的な、たとえばピカデリーサーカスの広場のように休みの日とか、昼休みとかに行ってみるといつでも何かやってる、あの広場にいくとなんかワクワクするような空間であってほしいですね。

また、新宿アジア映画祭と、それも含めての新宿アジアアートフェスティバルというのを、コマを中心に出来ると凄い面白いですよね。。歌舞伎町っていえば、アジアでしょう。アジアの人たちに聞くと歌舞伎町は本当にすごい知名度なんですよ。この猥雑感が面白いと言ってます。韓国や香港、台湾、中国、タイ、インド、日本の若手の作品も含めてアジア中の映画をたとえば1週間この歌舞伎町でやる、期間中はこの映画関係者・キャストたちにここに泊まってもらって、あとたとえばシネシティ広場でアジアンフードの屋台村をつくったり、そうじゃなかったら各映画会社のブースをつくってそこでネゴシエーションをするようなアジア映画村みたいなのをつくるとか、これをコマ劇場も含めて16劇場全部でできるようなことが可能ならスゴイカッコイイですよね。そして映画だけじゃなく、アジアのミュージシャンやエンターティナーをよんで劇場街周辺のライブハウスも連動してライブ・演劇をやる、アジアンフードも含め長い目で見ればアジアカルチャーの街、そういうメッカになるようなのも良いんじゃないですかね。

本当に街の方々と面白いことをどんどん一緒にやりましょうよ、是非。」

 

ということで、やっぱり歌舞伎町がめざすところはアジアの歓楽街、というのが一番しっくり来るようなきがします。

 


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STOP AIDS インタビュー [インタビュー]

東京都福祉保健局健康安全室 飯田真美副参事(エイズ・新興感染症担当)

「エイズとは、「HIV(ヒト免疫不全ウルス)」の感染で引き起こされる「後天性免疫不全症候群」を略した言葉です。HIVによってからだの免疫力が壊され、その結果、健康な時には体内に入っても病気を起こさない弱い病原菌にも感染(日和見感染といいます。)して様々な症状が出た状態をいいます。感染とは、体の中にHIVが住み着いている状態をいいます。感染して、未治療でいると、約半数が約10年で発病するといわれています。感染しても長い間症状は出ません。HIVに感染することと、エイズを発病することとは違うことなのです。

エイズ患者・HIV感染者は大変増加し続けています。厚生労働省研究班は、2010年には日本の感染者数は、50,000人以上になると推測しています。世界では、平成16年末現在生存している患者・感染者数は推計で3,940万人、日本では、平成1773日現在、法による累計患者・感染者数10,383人、東京では3,740人となっています。アフリカなどではその国の存亡にかかわるほどの状態になっていますが、日本でもそれほど遠くない将来こうした深刻な状況になる可能性があると考えています。昨年は新たに1165件のHIV感染報告があり、はじめて1000件を超えました。うち東京都が35%、現在でも11件以上の新たな感染報告があります。今やHIVウィルスは非常に身近な存在になりつつあるのです。また、年齢分布については、2030代の方が大変多いです。これからまさに社会を担おうという人たちにもっとも多く感染報告があるということです。

こうした傾向をふまえ、都としても、特に若い人たちに向けての普及啓発を行うことが重要で、12月1日が世界AIDSデーであることから1116日~1215日までを東京都エイズ予防月間とし、マスコミ・学校・企業などと一緒にエイズ予防啓発活動を行います。とくに若い方から若い方に同じ目線で予防の大切さ、命の大切さ、自分たちの健康を守っていこうというをつたえていくことが重要です。今回のLOVE TO LIVE 2005 オーディションサーキットもこうした観点から、音楽を通じ若い人たちにSTOP AIDSを呼びかけていきたいですね。

普及啓発とともに、検査や相談の受け皿、そして医療体制を充実させていくのがもっとも大事な柱になってます。東京都南新宿検査相談室は、土日にも検査ができます。電話予約制になっていますが、保険証もいりませんし匿名無料ですので完全にプライバシーが保たれます。また新宿区の保健所ではHIVに加えそのほかの性感染症の検査も行えます。感染した場合、免疫力が低下し一定のウィルス量以上になると障害者手帳が発行されます。実際この免疫機能障害の手帳交付数が多いのが新宿区です。HIV感染は、今では長期の疾病とおなじととらえていいと思います。HIVウィルスのコピーを抑える薬ができているので、免疫力によっては(患者さん自身の体力次第では)むしろ改善したり、エイズ患者からHIV感染者(発症していない状態)に引き戻すことも可能になってきました。早期の検査・発見と治療が大切です。感染不安のある方は、是非相談や検査を受けて欲しいと思います。」

 

新宿ではやはり同性愛者からの感染報告が一番多いそうです。とはいえ、脱法風俗については、定期健診などちゃんとしているか不安も多く、いつかエイズや性感染症などの観点からも問題になるでしょう。

現在南新宿検査・相談室ではHIV(エイズ予防月間はそのほかの性感染症も)の検査を無料匿名で行えますが、区の保健所では性感染症も含めて常に匿名無料で検査できるということです。

 
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歌舞伎町商店街振興組合事務局長 城克氏 歌舞伎町のまちづくりについていろいろ語ってもらいました。 [インタビュー]

ほぼ週に3日くらいは会っているので、改まってインタビューってほどのことでもないが今後の歌舞伎町のまちづくりについていろいろ話をする機会があった。2006年を迎えるにあたり、ここに書いておこうかと。

城氏は、歌舞伎町商店街振興組合の事務局長で、シネシティ広場などで行われてきた歌舞伎町ルネッサンスの各イベントを実質運営指揮をやってきた。また、新宿繁華街組織犯罪排除協議会の事務局長を兼ねセレモニーでは司会もこなす。一方、早稲田大学の戸沼ゼミでは「新宿学」の講師をつとめたりしてまちづくりについての造詣も深く、というか今でも熱心に勉強中。組合内の事務局長という立場から主として歌舞伎町一丁目内の地域全体の利害関係や警察・行政のバランス役であったりもする。

現在設立準備中の「新宿署管内カラオケ業防犯協力会」の事務局も歌舞伎町商店街振興組合におかれており、城氏が事務局運営を行っている。

新宿署管内カラオケ業防犯協力会について

歌舞伎町では、今目に付く客引きの問題で、とくに際立つのがカラオケ・居酒屋・ホスト、そしてキャバクラや外国人によるものである。この中で、組合経由でチャンネルが強いカラオケ業についてまず自主規制をよびかけようという趣旨に基づいてこの会はスタートした。現在、歌舞伎町では約200人くらいのカラオケの外販部隊が街にでている。来街者に対してひつこくつきまとったり、料金トラブルなどの苦情があることから、法の網がかかる前に自主規制を行い自浄効果を生むのが狙いだという。厳密に言うと、道交法違反であり、またカラオケ業は個室営業で、深夜に酒類提供を行ったりして風俗営業ではないかという声もある。営業時間の規制などをかけられては業界存続そのものにかかわり地域経済の減衰になりかねない。外販を行わない店舗(シダックスなど)も数店あるし、「他店が出さなければウチも出さない、一種の防衛手段」(カラオケ館)という店舗もある。一方、「ウチは場所の悪い店舗もあり、外販を行わないとやっていけない。」(金嶋グループ747)という店舗などあり、民間主導による自浄機能をどうつくるか今までずっと課題だった。実体は金嶋グループなど今まで自主規制に消極的だったことが大きな問題ではあったが、歌舞伎町ルネッサンスの地域浄化や客引き排除の流れで、どちらかといえば逆に一緒にやろうと歩み寄ってきたことが端になっている。

「もし実質的に自浄機能が働き、その成果を警察が認めてくれれば、たとえば将来的には、歌舞伎町内だけ、客引き(外販)OKというのもあるかもしれない。それは極端な言い方だが、彼らがルールにのっとって外販をする、そして来街者に不快感を与えないものになればよい。いま考えているのは、カラオケ業の外販員を地域防犯協力員にするということ、つまりケンカやトラブルがあったら警察に通報する、キャッチなどで不快な思いをしたらカラオケ業の外販員に声をかけて助けてもらえる、一種の地域防犯パトロール要員になってもらうということを目指してみようと思っている。ニューヨークのBIDもホームレスを雇用し警備や地域清掃に使っている、歌舞伎町では今まで「悪」と思われていた客引きにルールと自浄機能を与えボランティアのパトロール員を兼務してもらう、そういう形でのみ外販員が存続する形をつくりたい。今はカラオケ業に対してアプローチをかけているが、今後は居酒屋業界や風俗業界であっても同じアプローチをしていくことができれば、歌舞伎町らしい観光地づくりのありかたが示せるのではないか。」

各店舗も、商売なだけにまだまだコンセンサスをとるのに調整や苦労はしているが、この客引き(外販)を防犯と地域の観光資源のツールに上手に機能させようという考え方にカラオケ業界自体理解を示している。他の業種については、まだどこがアタマになるのか、誰がまとめきれるのかが課題ではあるが。

カラオケ業防犯協力会では、外販員に簡易の所属証明書や法令順守のガイドなどを持たせたり、タスキがけなど誰からも一目でわかるようにすることを計画中。

城克(じょう まさる):歌舞伎町商店街振興組合 事務局長

生年月日:昭和29年1月12日 東京都新宿区出身 趣味:釣り

フリーペーパー「歌舞伎町るねっさんす」にコラム「歌舞伎町のジョーです!」を執筆、上の写真は2005年新宿エイサー祭りにて、ミス沖縄の松田春奈さんとの2ショット^^

 

歌舞伎町らしいまちづくりについて

城氏は「ここのような観光地的な商店街というのは、そういくつもあるものじゃない。来街する人たちの5割が外国人になってもいいと思っている。そういう意味では、歌舞伎町はまだまだ外国人観光客に優しい街とはいえない。たとえば道案内や表示を英語・韓国語・中国語もあわせせめて4ヶ国語表記にするようなことも必要。店の従業員に一人は必ず英語の話せるスタッフを置いてもらうようにできればいいですよね。そこで、たとえば歌舞伎町については外国人の就労ビザ特区にし、この街にあつまる韓国人や中国人は、日本人よりよっぽど英語を話せるわけだから、彼らを各店舗で実質外国人観光客に対する英語スタッフ、外国語の観光案内スタッフに就労させるみたいなアイディアを実行できたらいいと思う。歌舞伎町をもっともっと国際的アジアの繁華街として誘導できたらね。」と話していた。

一方で、組合や町会の役員でありながら、地域全体を考えられない人たちがまだまだ多いという課題もある。「まちづくりだとかルネッサンスをいくら進めても、個人レベルでじゃぁどう変わったのか?というのが目に見えてこないだけにわかりにくい。これをどう伝えていくのかが課題。」たとえば、歌舞伎町はこのルネッサンスの活動によってかどうかはともかく、この1年で不動産価格が大分上がった。坪当たり300万とか言われていたのが去年ごろ、それが今では500~700万、花道通り沿いで1千万、一丁目ならもっと高くなってきている。ルネッサンスの一つの目標である「地域の資産価値を高め」という趣旨は徐々に達成しているにもかかわらず、含み資産の上昇は見た目の実態には反映されにくい。ここをどうするか。

たとえば、その地域の固定資産税の税収増加分に比例して都が「再生特区」に指定した地域に交付金として拠出(ひも付きではあってはならない、官主導ではなく民主導でつかえる予算として)、これを安全安心のまちづくり資金としてイベントや空きテナント対策、地域の観光PRやホームレスの雇用対策などに使えるシステムはできないだろうか?と。これが可能になれば、地域振興組合なりTMOなりにまちづくりの活動成果が金額として明確になり、と同時にこれを地域活性化に使うことでイベントが増えたりPR誌が頻繁に発行されたり雇用が改善されたりして地域の人全体が目に見える効果を作れるのではないか。税制にかかわる部分なだけに、都がどう考えるかではあるが、この手法は全国の商店街や主要繁華街の再生に活用できるアイディアではないか?

ドラスティックに街を変える方法は、ほかにもあるかもしれない。城氏は「これは夢なんだが、たとえば新宿駅に新幹線を誘致できればそれこそ大きく変化すると思う。横田基地が返還されてアジアのハブ空港になるという動きもある。そうすれば、アクセス的に新宿は東京駅とならんで日本全国の観光地の2大拠点にできる。」と話す。日本の中の新宿、新宿全体の活性化が歌舞伎町の活性化につながるということでなのだが、すでに新宿を観光拠点、全体を観光地としてのブランドイメージ戦略については、来年の歌舞伎町オクトーバーフェストを歌舞伎町から新宿全体へエリアを拡大してのPR戦略を検討、オクトーバーフェストの実行部隊である博報堂とともに新宿駅前の各商店街に対してのアプローチも進めている。

 2005年歌舞伎町オクトーバーフェストにて、MODEAのパーカッション一丸さんと。城さん、2005年は大車輪の活躍でした(2度ほど倒れてましたが;)、ゴクロウサマでした。

 

と、まぁ、これ以外にもFM-KABUKI(自主的に設立へもっていけるか、またはFMを開局したいという企業誘致にむかうのか)とかKIHEIプロジェクト、各種イベントなど2006年度もやるべきことは尽きない、そういやぼちぼち次のフリーペーパーも発行しなくては・・・・^^;

 


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町田歌舞伎町商店街振興組合理事長に新年ご挨拶がてらインタビュー [インタビュー]

3連休を迎える前の週末、正月人気の少なかった歌舞伎町に再び賑わいが戻ってきていた。そんな中、新年の挨拶をかねて数箇所顔を出しながらの話。

シネシティ広場でミラノ座のスタッフだった伊澤統括支配人(当時、現在退職)や横田支配人(当時、現在統括)がゴミ掃除からはじめたのが今から4年前、その小さな活動がいまや閣議案件にもなり日本全国の治安対策のモデルとして全国から注目されるようになった「歌舞伎町ルネッサンス」。その歌舞伎町ルネッサンスという活動の原点はあくまで官民一体の治安対策と、それにあわせてすすめていく安全・安心のまちづくりである。個人的にこの街とのかかわりは意外と長いのではあるが、それはともかく本格的にこの活動にかかわり始めて丸一年、まだまだ総括するには日が浅い。正直いまだに途に付いたばかりというのが実感である。

新宿区役所に挨拶に行ったときに、平成5年に建立されたインテリジェンスビル健康プラザハイジアができたときのいきさつと地元からの陳情書などの資料を見せてもらった。現状から言えば、ハイジアは開発の失敗作であるということは誰が見ても明らか。東京都の所有地だったところに三菱信託銀行が信託を受けて運営しているこのハイジア。地元からの趣意書からみとれるのは「大規模な商業施設を作ることで地元商店街の経済を圧迫させるようなことは断じて受け入れられない。」という意図、それに伴いもともと都立大久保病院であったことから健康増進や福祉施設的なものに限る開発を余儀なくされた。結果どうだろう?地域対策をおろそかにし、地元は開発の足を引っ張り巨大な失敗作をつくってしまったのだ。今思うのは、ハイジアの開発期に今のような「歌舞伎町ルネッサンス」的な思考があればまったくちがったものになっていたであろうことだ。平成5年からの三菱信託銀行の信託契約もあと2年できれる。その後、この物件はどうするのか?再開発計画が進められている歌舞伎町シネシティ広場周辺の劇場街、公園ということから脱却し新たなエンタメゾーンにしてみてはというアイディアがでている大久保公園、その両者に挟まれたハイジアはまた歌舞伎町一丁目と職安通り周辺のアジアンタウンの架け橋でもあり、今後についても考えないわけにはいかないはずなのだが。

夕刻、あずま通りの靖国通りに面したシロービルをたずねると、エレベーターホールでばったり町田氏会う。町田氏は歌舞伎町商店街振興組合で前理事長の小松氏(一番街靖国通りに面したかどにある小松ビルオーナーでお好み焼き本陣などを経営、現組合相談役)からバトンタッチして新理事長に就任された方である。戦前歌舞伎町の大地主であった尾張屋銀行頭取の峯島氏の大番頭だった町田家は歌舞伎町では歴史的な背景も含め由緒正しいお家柄、ということもあっての理事長就任に推された。今でも歌舞伎町の地主名に「尾張屋」とか「峯島」の名がでてくることがあるのが感慨深い。

 中山弘子新宿区長とのワンカット。右から町田理事長、新村副理事長、区長の左が小松前理事長。(昨年撮った写真ですが^^;

「よかったらよって行きなさい。」といわれ、町田氏経営の居酒屋シローに。小松氏の体調不良による突然の辞任による新理事長への就任、その時期がまさに「歌舞伎町ルネッサンス」が本格化するときと重なり、その渦中に推しだされたという感は否めない。「いまでもそうだが戸惑いはある」と町田氏。「鈴木喜兵衛氏が活躍した戦後の歌舞伎町の再生のときはみんな若く元気だった。その後、代が変わり今の歌舞伎町のオーナーは多くが当時から見て二代目なんです。初代の影響力が強く、相続も含め代の移行に苦労はしたがそれもなんとか落ち着き、だがその2代目が今私達を含めてみなさん高齢になってきた。さらに女性のほうが長生きするからなんでしょうが、この辺は高齢の未亡人がオーナーというケースがおおい。そんな方たちをどうやって守っていくのかというのを考えると歌舞伎町ルネッサンスの渦中にいて戸惑いを感じるんです。」

歌舞伎町では50坪程度の土地に建てたビルに年間1,000万近くの固定資産税がかかる。元気であれば自分で商売をしてなんとかできるかもしれないが、高齢化が進み、資産を維持するために住むことを許さない、テナントに貸して賃貸収入を得ないと維持不可能、そんな環境がここにある。結果、不在オーナーが増え、ビルのテナント管理がおろそかになってきたのかもしれない。その2代目や未亡人オーナーもいよいよ相続をどうするか、という年齢に達している。ここに、さらに建物の老巧化という問題が重なっているから深刻なのだ。「ほとんどの建物が築40年を越え、限界。歌舞伎町は多くが鈴木喜兵衛氏のまちづくりの流れで20坪とか25坪の土地が多く、建替えるのは共同ビルにしていくしかない。そのためには地権者の合意を形成し50坪とか100坪といった区画整理をしなおさないといけない。でもこれが難しい。」(町田氏)

鈴木喜兵衛氏らによるまちづくりが残した怨念めいたものが残っている。区画が小さいことだけでなく、当時喜兵衛氏よりの人たちが商売にいい場所を得たり、逆に喜兵衛氏に反対した人たちが冷遇されたといったことによる。区画ごとに再生は必要だが、その際にいい場所悪い場所がでるとあとでもめる、今度の再開発は信託形式なりにして、土地を証券化、管理会社を置いて利回り配当という形が必要になる。ここで問題になるのが、相続と開発期の収入。「法律でこのハードルを越えられるような施策をしてほしい。開発期の1~2年は収入がなくなってしまう、とはいえ固定資産税ははらわなくてはいけない、相続しても相続税がずしっとかかってくる、というのでは地権者の同意を得るのは不可能。たとえば固定資産税や開発期の固定資産税の減免なり免除なりがあった上で、収入を補填する意味で低利の融資を受けられるというシステムが必要だと思います。いろんな難しい課題があって、有言実行なんていってる場合ではない。むしろ、みなさんがどんどん意見やアイディアを出しながら実際に可能性のあることを探ってできることからやっていきましょう。」(町田氏)

話はとんで、個人的な意見であるが、なんとかFM-KABUKI(歌舞伎町をメインコンテンツにした新宿エリアのFM局)の開設について、2006年度中に最低でも実質計画に織り込めるまではしたいと思っている。自力で局を立ち上げる事ができればそれに越したことはないが、そうでなくとも歌舞伎町でFM局をやってみたいという事業者を誘致するほうがハードルは低いかもしれない。渋谷スペイン坂のFMスタジオのようなガラス張りの公開スタジオをシネシティ広場やその周囲にサテライトとして設置、そこでは歌舞伎町の観光案内所を置き映画の前売り券やライブハウスのスケジュール情報やチケット、その他飲食店情報などのマップ配布を行う。英語や韓国語、中国語にも対応できるスタッフを置き、広場には365日営業のオープンカフェをつくる。というアイディア。町田氏にはなしたところ、「ジャズが好きで、昔っからFMにはなじみが深い、そのアイディアは個人的には大賛成です。組合でも幹部のみなさんが同意してくれるならバックアップしていきたい。歌舞伎町をよくするのは、まず新宿全体がよくなるということも考えなくてはいけない。FM放送局は新宿全体の発信力を高めることもできる。そこに歌舞伎町という豊富なコンテンツを持つ街がある。上手に活かしてほしい。」とFM-KABUKI設立案について応援コメントをくれた。そのほか、町田氏とほかにもいろいろ話をしたが、とにかく歌舞伎町らしい魅力をいかに残しながら新しく変えていくべきものは変え、また今の地域の人たちもその変化を受け入れていける土壌をつくらないといけないということだった。「歌舞伎町のこの猥雑さが好きなんですよ、これを失わせたら歌舞伎町じゃないです。」とおっしゃっていた。

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昨年、歌舞伎町の違法風俗摘発などで功をあげた警視庁の保安課、実はこの部署は現在巷で話題で安全・安心の脅威として事件になっている「耐震データ偽装事件」に関する捜査や建築基準法違反などについても主管業務でもある。この件についての意見も^^といわれたもので、ちょこっと。(あくまで個人的なコメントとしてですが)

偽装マンションについて、一言で言えば建設業界と銀行と国交省が意図してかせずかはともかく三位一体に責任がるのではないか。こういったシステムをつくった国交省の責任もあるとは思うが、むしろ意図をもって実行した建設業界、そして知ってか知らずか融資によってずさんな事業を実現させてしまった銀行の責任は重い。銀行が偽装物件に融資したこと、またいまとなっては担保価値を失ったマンションに抵当をつけて融資し販売を可能にした銀行について責任を追及すべきであろうということ。

ここで、一つのアイディアとして。これは歌舞伎町などにおける暴力団のインフラにもかかわるところであるが、違法な事業に融資・投資した場合それが発覚したときにそこに融資や投資をした銀行・ファンド・その他の個人融資に債権放棄をさせることにしてはどうか?ということだ。とくに、マネーロンダリングなどの目的で不動産ファンドなどに暴力団やその他の組織から違法な資金が流入しているようだが、これの根っこを押さえるために、そして違法な資金はあくまで使えない土壌をつくるためにも、また銀行などは融資する際に相手を精査し違法性のある事業を行わないかどうかを見極める義務と責任を与える。銀行は、建築違反などのある物件や計画に融資をする場合は発覚した場合債権放棄を迫られる責任を負い、結果として今回の耐震偽装のような事件の再発防止にもなるのではないか?

安心・安全の再構築について、今までの小さな政府への流れと逆行しむしろ政府自体が民間に業務を委譲することなくもっと権限強化と責任拡大へとシフトしつつある。いま政治はそういう潮目を迎えているような気がする。そこで、銀行の反発は大きいかもしれないが、融資や投資元は銀行・ファンド・企業・個人にかかわらず違法な事業にも流れうる融資という資金源(時には資金洗浄にも使われる)のシステムに楔を打つべきではないか?ということを一言追記。


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東京都青少年・治安対策本部長 舟本馨氏にインタビュー [インタビュー]

防犯ボランティア応援サイト「大東京防犯ネットワーク」開設

東京都青少年・治安対策本部では、3月30日付けで防犯ボランティア応援サイト「大東京防犯ネットワーク」を開設した。このサイトでは、都内の防犯ボランティア団体の概要や活動事例を紹介する「防犯ボランティア活動」、子供の安全を確保するための「子供の安全対策」、安全・安心のまちづくりや防犯ボランティアの活動支援に関する「東京都の取組」及び「都内区市町村の取組」の4つを柱に防犯に関する情報を提供することとしている。また、防犯ボランティア団体用の掲示板を設け、防犯ボランティア団体相互の情報交換による連携が図れるようにした。

サイトのバナーは、見ての通り歌舞伎役者の睨み。舟本本部長の話だと、石原都知事自らデザインしたものだとか。

東京都青少年・治安対策本部、昨年まで竹花副知事(現在警察庁生活安全局長)がいた部署で、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会の委員だった竹花氏の後を受け、本部長になったのが舟本馨本部長である。舟本氏は第三回歌舞伎町ルネッサンス推進協議会から参加している。というわけで、都の治安対策の責任者である舟本馨 青少年・治安対策本部長といろいろ話してみました。

←舟本馨 青少年・治安対策本部長。後ろの棚に「大東京防犯ネットワーク」のステッカー。

「東大法学部時代、刑事法の先生が『99人の真犯人を見逃しても、一人の無実の人間を有罪にするな。』といわれた。僕は、それにすごい違和感を感じたんだよね。加害者側の人権擁護とでもいうのか、しかしそこでは一切被害者側の人権を語るということがなかった。違うだろ、って気がしてたよね。」

この話を聞いたときに、まっすぐな筋の人だなと感じた。舟本氏は昭和30年生まれの50才、警察庁に採用された頃の話を聞いた。

「警察庁に採用され3ヶ月の研修があり、その後最初に現場に出されたのが歌舞伎町なんですよ。それが昭和54年、当時11箇所に交番があって22時23時あたりになると警察官はみんな歌舞伎町交番に集結、だいたい20名くらいだったかな、それで警備にあたる。当時の歌舞伎町は、終電まぎわになるとブワァ~と人があふれてきてすごい街だった。その頃から、いわゆる風俗もあったが、どちらかというとボッタクリが多かったね。まだ街には普通のサラリーマン、普通の学生が多くて、よくぼったくられたと交番に駆け込んでくることがあった。しかし、あの頃も風俗風俗って騒いでいたが、今に比べると全然、あれが風俗なの?ってくらいのものだった。ここ最近までの歌舞伎町の姿は、欲望がむき出しの、エスカレートした状態。」

都の治安対策における歌舞伎町の位置づけは?~

「警視庁時代、当時今の組織犯罪対策課の前進で国際犯罪取締対策本部というのがあってそこの参事官だった頃、外国人の犯罪が急増していた。蛇頭などの中国から船で密入国してくる人たちがいて、彼らの間で歌舞伎町に行けば何かしら生きていく術があるということで、彼らは歌舞伎町という名を覚えたという。歌舞伎町は不良外国人の拠点化し、暴力団勢力が力でまけて、当時は暴力団と不良外国人が共存共栄を模索していた。行財政改革の只中で警察も例外でなく、増員がまったく出来ない時期で、一気に歌舞伎町を拠点にした治安悪化が全国に及んだ。現在進めている歌舞伎町の浄化作戦も、ルーツはここに端を発し、したがって全国の治安のバロメーターという意味で歌舞伎町を捉えるという、いわば象徴的な場所でもある。」

浄化作戦の成果、課題など~

「違法風俗の向こうは必ず暴力団とつながっている。最近の違法風俗や、暴力団そのものの排除は、ある程度ダメージを与えてはいるだろうが、根絶やしというところまではいっていない。全国に散っているとよくいうが、あくまで歌舞伎町を拠点に散っているのであって、この街には根深い歴史がある。一朝一夕にはいかない。しかも、犯罪素地はネット化など非常に多様化している。暴力団や、不良外国人の組織は、アメーバー的に活動し、彼らは金になるところに対する嗅覚をもっており、手を抜けば、またその根から生えてくる。歌舞伎町にはそういった歴史が深い。決して手を抜いてはならない。まして、いたいけなものや未成熟な人間を食い物にする彼らを許すことは出来ない。

日本は、レッテルを貼る社会である。犯罪者や元暴力団となると、一般社会はなかなか受け入れない。そういう問題はある。一方で凶悪な犯罪者の情報を開示しろという運動もある。あるいは、壁一枚で踏ん張って向こう側にいかないように生きている、歌舞伎町にはそんな部分はあるのかもしれない。しかし、その壁が、今の位置でいいのか?もう少しこっちだろう、そういう思いはある。日本一の繁華街、この街をどう変えていくのか、これは相当腰をすえて取り組まねばならない。治安対策と、一方で積極的な行政によって地域の活性化を促すというのは両輪だ。歌舞伎町から学生が少なくなった。そういった景色を見なくなった。昔のように、普通の学生、体育会系だっていいじゃないか、そういう人たち、普通のサラリーマンが集まるように賑わいを取り戻して欲しい。」

暴力団対策・外国人犯罪など最前線におられた方だけに、重い言葉だった。


個人的な意見として。

5月1日施行の改正風適法によってデリバリーヘルスの受付所に関する届出義務と宣伝行為の規制に関する運用強化、6月1日施行の風俗案内所規制条例では脱法性風俗店の受付所的な役割をし、且つ街の景観を歓楽街的に助長する案内所の規制、また昨年12月22日に公布され4月1日より施行されたぼったくり条例の改正性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例の一部改正)では性風俗店の客引き行為や違法行為に伴うビルオーナー責任を明記、罰則強化。それ以外にも火災予防条例の改正によって改装・改築等に際しての届出義務を設け、ビルオーナーや管理者が放置してきたまた貸しの実態やその上での違法店舗の入居を抑止する効果を生むと考えられる。法律や条例改正がなにも歌舞伎町に限ってのものではないだけに全国的に及ぶ今回の規制強化は、まず根本にあるのはまた貸し行為や違法性風俗の背景は100%暴力団のインフラになっていることからまずその資金源を断つことが最優先課題ということにある。もっとも、昭和60年の改正風適法以前の性風俗店に与えられている既得権は、その後、経営者が老齢化する流れがまた貸しや会社売買によって実質的に家賃のサヤによって暴力団等の資金源になっているケースも多い。ある歌舞伎町の既得権を持つ性風俗店が家賃250万、しかしビルオーナーにはわずかに60万程度の家賃が入っているという例がある。つまり、その差額の190万はどこにいったのか?

その他にも名義貸しや、その名義をブローカーする連中、性風俗店の実質的オーナーは経営に名前を出さない実態、風俗店で働く女性を手配するブローカーなどありとあらゆるところに暴力団の資金源が存在している。今回の規制強化は、表面的に違法な性風俗店や案内所の増加には効果を生むだろう。しかし、表面に出ない中間に存在する暴力団などのインフラ排除にはまだまだ程遠いのではないか?

舟本本部長が「あまりにも欲望むき出しの街になってしまった。これではいけない。」というが、ではそういった状態を作ったのは誰か?街の人の無関心、行政の無関心や縦割り構造の弊害(衛生、消防、建築、風俗等の許認可がばらばらでコンセンサスが不在)、そして警察、さらに法の不備それぞれが結果として作ってしまった状況である。法の隙間や監視のゆるい部分に機をみつけて商売をする、それは資本主義のあたりまえの流れである。すべてを予測するのは不可能かもしれないが、一見機能しそうな法律が結果として新たな問題を生むということを認識すべきだろう。

たとえば、6月1日に施行される風俗案内所規制条例。違法性風俗の受付所になり、パネル掲示は暴力団のミカジメにつながり、まして地域の景観を汚してきた。規制するのは遅いくらいだ。しかし案内所の功がたった一つある。それは、客引きを減らし、客引きマージンがないためぼったくりが減ったと言う点だ。つまり今度の条例施行がどういった結果を導くか、案内所は減るだろうし違法な風俗店、デリヘル等は水面下に潜る。街の景観はハード面では改善方向に向かうかもしれないが、まちがいなく客引きは増加するはずだ。

つまり、6月1日を前にして「客引き」禁止を強く摘発・検挙なり啓発なりしないことには再び手遅れになる、ということである。いや、既に案内所が閉鎖、減少方向にある現在、少なくとも歌舞伎町は客引きは増加傾向にある。違法風俗のキャッチ、セクキャバの客引きをする黒人は、もう靖国通り沿いまで押しかけ、歌舞伎町に入ろうとする来街者に対しさながら防波堤となりつつある。放置すれば、ますます地域経済は低迷し、今まで持ちこたえてきたビルオーナーや商店主が耐え切れる限界点を越えることも予想できる。

それは、再び悪循環を生み、地域の資産価値は減少、耐え切れず土地や建物を手放すオーナーも増えていくかもしれない。バブル崩壊のあおりを受け、すでに体力を持たない街の人も多いことが負のベクトルを加速する。こんなことを言う人がいる。「体力を持たないビルオーナーや商店主は街を去らざる負えない状況になっていく。意図せずとも、結果的に外資ファンドやそのほかのプライベート・ファンド、あるいは大手ディベロッパーが介在して再開発が進む。そのとき、歌舞伎町はすばらしい街になるかもしれない。行政にとっても警察にとっても、また新たな歌舞伎町に遊びに来る人にもいい結果を生むだろう。だが、そのとき、今の歌舞伎町で踏ん張っている人たちはもはや誰も存在しないかもしれない。」これは今、歌舞伎町でがんばっている人たちにとって最悪のシナリオだろう。それはもはや歌舞伎町ではなくなっていることを示している。極端な話ではあるが、実際に表参道の再開発と周囲の再生が表面は華やかでも裏でこんな状況があったことを人々はあまり知らない。

一つ、そうならないためにも、地域再生はスピードがなによりも必要なのだろう。今の方向性が間違っているとは思わない。まだまだ街の人たちの努力だって足りない部分はあるかもしれない、しかし、仮にスピードを現状から加速できないのであれば、もう一声二声、ある種の規制緩和策(いくつかの具体案は示してきたつもりだが)などによって今歌舞伎町で前を向いて踏ん張っている人たちの受けてる負荷をいくらかでも除去し、やがてよくなるであろう歌舞伎町という街に至る時に恩恵が受けられるようにしてあげて欲しい。それもまた急務なのではないか。


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中山弘子新宿区長に聞く [インタビュー]

フリーペーパー「歌舞伎町るねっさんす」第3号発行直前、巻末の「区長に聞く」のインタビューをとるため、4月10日新宿区役所の区長室をたずねた。日本発の女性区長、それも新宿の区長ということでマスコミ等ではかなり注目度の高い方であるが、実はフリーペーパー「歌舞伎町るねっさんす」の公式な区長インタビューは始めてのこと。イベントやそのほかの会合などで区長とはお会いしいろいろお話する機会は多いが、実際記事にするとか公表することを前提にどれだけ深い話ができるか、正直「あたりさわりのない」話に終始しかねない、ということもあって公式にインタビューをすることはやや遠慮してきた。

歌舞伎町ルネッサンスの推進において、当初からの機軸に置かれている治安対策・地域浄化活動についても、なにも新宿区だけの問題ではない。東京都、そして日本全体から見て「歌舞伎町」はシンボリックな場所であり、むしろ国政レベルでの治安回復・都市再生としてプライオリティが高い。その中で、地域の企業や商店街、あるいはそこで活動するあらゆる人たちと現場として接点を持つ「新宿区」は、いわば調整機関であり窓口でもあり、また、この活動そのものが「歌舞伎町の浄化・再生なんて誰がやってもできるわけないよ」と数十年言われ続けてきたことに対する挑戦でもある。

 

その中で、特に暴力団のインフラ排除に有効と思われるあらゆる手を打ちながら、一方で、それだけでは地域経済はもたないわけだから、なにかしらの活性化対策をカンフル剤として投入しつつ、今後計画されている四葉会(地域の興行4社)再開発をベースに「大衆文化の創造・生産・消費の街」に生まれ変わらせようという、今まさに過渡期にあるといえる。街の人たちは、想像以上に苦労しているし、さまざまな努力もしている。時々暗中模索、意見がまとまらなかったり、しかしそんな民間主導の地域再生を、同じ歌舞伎町に活動拠点を持つ区役所も一人の当事者として係わり合い、また地域の人たちの、時として揺れ動く志に鼓舞、エールも欲しくなる。そんな意味で、中山区長にインタビューをさせていただいた。

 

中山弘子新宿区長

 

■新宿区の施政方針、「持続可能な都市・新宿」について

 

新宿の街の一番の強みは、懐が深く、多様な顔を持ってるところと言ってきたわけですけど、新宿がそれぞれ多様性を発揮でき、暮らしやすさも一番で、そういった街を目指している、硬い言葉で言うと「持続可能な都市・新宿」を目指しますということなのですが、というのは、江戸からの歴史をもってきている新宿が歴史の記憶をみんなで共有しながら、みんなが食べていけて、そして快適さを感じられてといった経済活動が活発に出来、しかし経済活動だけが大事ということではなく人々の潤い、暮らしやすさを追求できるようなヒューマンスケールの都市をめざしたい、その担い手は区民であり、そこで活動している事業者がみんなで担う街を目指しましょうということです。

 

■歌舞伎町も新宿駅周辺の経済圏の一エリアなわけで、歌舞伎町をよくしていくには新宿全体の活性化は欠かせない。新宿駅周辺の全体的な施策について。

 

新宿駅というのは1日乗降客数が300万人を越える大ターミナル。日本一の商業・ビジネス集積もあり、人が多く来てくれているというのが大きい。しかし、このエリアの欠けているのは、その大ターミナルが中心をどんと占めていることで、新宿駅のまわりのいろんなところを見てあるける回遊性に課題がある。駅周辺の回遊性を高め、周辺エリアをよさが西口の方までつながっているような、その中で北側にある歌舞伎町は、イメージ調査をみていくと、良くも悪くも有名ですが、普通の若者や家族連れが行きたくない街、危険な街になってるところがある。そういったマイナスのイメージを払拭することで新宿全体のイメージアップをはかっていくための取組が必要だと考えている。19年度末の地下鉄13号線開業、南口の基盤整備事業が行われている、こういったことを条件として考えながら、この街にきて快適だと思ってくれる、そんなまちづくりが必要。都心であるからこそ緑を渡る風を感じられる、街路樹を御苑のほうからつなげてくるとか、モア4番街でオープンカフェでやっているが、ああいったことも一つの取組で、それをもう少し全体で、たとえば商業空間をモール化するといった取組も重要だと思う。

 

■新宿周辺エリア経済圏における、歌舞伎町ルネッサンスの意味・課題・目指す街の姿について

 

新宿の経済圏は全体では、事業所数はあまりかわっていない。変わっていないから、みんな同じように営業できているのかというと、よく見るとそうではなくて、つぶれるところもたくさんあるけれども新らしいところもたくさん出てきているということなんです。新宿の商工行政はかなり舵をきっていて、新たに起業あるいは進出してくるところをちゃんと受け止められるような、またそういった人たちを支援するような起業講座を行ったりしてきている。

歌舞伎町の経済として、私が考えているのは、ここには違法風俗や組織暴力などの問題を抱えているわけだが、それらをただ排除するだけで街として維持できるわけではなくて、とくにあれだけの繁華街なわけだから活発な経済活動があってこそ街が維持できるわけで、たとえば違法な風俗等を排除した場合には、その街がちがう新たな産業、担い手によって支えられなければいけない。そういう意味で、みんなで歌舞伎町のビジョンを共有しましょうと、それは歌舞伎町の生い立ち、遺伝子から言えば興行街であったり、大衆娯楽・文化を発信する、そういったものが今不十分で、それを新たな担い手としてきてもらい、街の人たちと一緒に、この街に愛着を持ち誇れるような大衆娯楽・文化の発信の場所にすることをみんなでやりましょ、というのが歌舞伎町ルネッサンスです。

新宿全体の街の品格、風格のある、まさに日本、東京の新都心としての新宿を思い描いたときに、もっと21世紀は、人々がわくわくするような娯楽、文化、そういうのが大事になって、そして大人の街も必要とされると、ここはそれだけのポテンシャルをもてる場所でもあるのだから、たとえばブロードウェイのような、またもっと幅広く、文化娯楽をそこから他に発信するだけでなく、そういうのに関わりたいなって思う人たちがそこで活動したり創り出す場になったり、自分を表現したり、そこが住まいの場になったり、そして、自分達が今の時代の先端を担っている、文化を担ってるという誇りみたいなものを大事にして、お金のない若い人たちにも少し場を提供したりとか、そういう担い手にみなさんでなり、またきてくれませんか?ということですね。

ルネッサンスを推進していくなかで、映画や演劇と、それに付随するような物販とか、あるいは大久保エリアの多文化な経済圏とのクロスオーバーが生み出す特徴をもったものが出てきてくれるんじゃないかと期待している。歌舞伎町ならではの、ブロードウェイみたいな街になるのであれば、舞台の衣装やそれに関連した書籍やさんだとか、そういうのに関心を持っている人にとって、あそこにいくと関連のものはそろうよとか、あるいは歌舞伎町独特の多文化的なアウトレットとか、そういったこの街を象徴するようなものもいいかもしれない。でも、街を歩いていればのども渇くし、おなかもすくし、だから飲食もある、そういう余韻を楽しめるような街であったらいいと思う。

 

■今後の歌舞伎町対策の課題である、TMO(タウンマネジメント組織)創出について

 

なるべく早く歌舞伎町再生に目途をつけていくのも大事だと思うんです。18年度は、自分達の街として、みんなで担って運営していくタウンマネジメントの仕組みをつくっていかなくてはならない。その場合、課題はどう運営していくのか、それにはどうしてもお金がいるんですよね。だから、稼ぐということについて、区として智恵をだせたり、それを許可すればいいよってことがあれば最大限サポートしていきたい。広い意味でこれも市民自治なんです。そこで事業活動をやっている人たちが主人公に、だから、歌舞伎町商店街振興組合であったり、そこで商売して振興組合に入っていない人たちにしても、ただ乗りするのではなく関わってもらうとか、そこに住所をもっていなくても、街で活動している人たちにさまざまな形で担ってもらう、今までそれほど前例があるわけではないので、行政としても力いっぱいサポートしていきたい。

 

中山弘子 新宿区長・歌舞伎町ルネッサンス推進協議会 会長

194526日台湾羅東生まれ

1967年日本女子大学文学部社会福祉学科卒業

1967 4月東京都庁に就職

2002 10月東京都庁を新宿区長選出馬のため退職

2002 1124日新宿区長就任(一期目) 23区初の女性区長となる

 


インタビュー後、区長や区長室長の酒井さんと3人で、歌舞伎町の治安対策についてのポイントや再生のためのカンフルとしてのアイディアについて語り合った。課題が山積し、また変化の早いこの街について、とくに風俗産業における根深い産業構造があり、構造的に暴力団のインフラが絡み合っている。そういったものを排除するために有効な具体的な施策を行うには、正確な情報と予測も必要だ。「向こう側」の人たち以上に法を熟知し、必ず出てくる脱法行為や取締りの隙間を狙った違法な活動をあらかじめ予測、先手を打つべき。特に個人的意見ではあるが「行政の仕事は突き詰めると規制と緩和ではないか、歌舞伎町はいってみれば風適法の街です。つまり、風適法上何を規制強化し、なにを緩和するべきか」といったことについて突っ込んだ話をさせてもらった。 

地域事業者や商店街、ここで活動するあらゆる人たちと協働しつつ区政・都政・国政の垣根を越え、なにが必要なのか、どういった有効な施策があるのかを見極めながら戦略的に実行していって欲しいと思っている。区長、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m


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12月1日(金)新宿TOKYU MILANO 50周年記念~11月30日「007/カジノ・ロワイヤル」公開前夜祭としてダニエル・クレイグ来日 [インタビュー]

昭和31年12月1日に新宿TOKYU MILANO(当時は新宿東急文化会館)は竣工した。同じ31年12月にはコマ劇場も完成(12月28日竣工)、今年2006年はそれぞれが50周年を迎える。

鈴木喜兵衛氏が目指した劇場街を中心とする道義的繁華街というコンセプトを元に産声を上げた歌舞伎町が産業文化博覧会を開催したのが昭和25年、この博覧会は事業として大失敗し、その資金調達で奔走した鈴木喜兵衛氏はその後の歌舞伎町からリーダーシップを失ったのだが、産業文化博覧会施設跡を利用して東京スケートリンクが完成したのは昭和26年11月1日、その後東急グループとの対等合併などを経て昭和31年12月、地上4F地下1F(B1:新宿東急;外国映画封切館、定員1,000名(後に1,500名) 1・2F:ミラノ座;ロードショー館、定員1,500名(後に1,650名) 3・4F:東京スケートリンク;滑走面積1,431㎡600名の観客席)の新宿東急文化会館が完成した。同年12月28日に待望されていたコマ劇場も完成し、まさに鈴木喜兵衛氏の思い描いたまちづくりが形になって完成したのが昭和31年の彼が去った後の歌舞伎町だった。

そして、昭和31年当時最先端の文化発信の拠点としてその後世界有数の繁華街に成長を続けてきた歌舞伎町が、今、50年を経て新たな街に再生しようとしている。鈴木喜兵衛氏が目指した道義的繁華街というお題目をそのまま地域のDNAと見立て、地域再生の御旗において「歌舞伎町ルネッサンス」が推進されている。

歌舞伎町ルネッサンスにおける、地域再生の核はシネシティ広場周辺の興行各社を中心としてJR・西武鉄道、ハイジア(東京都)、大久保公園(新宿区)、そして職安通りに面するエリアまでを指す。便宜上「四葉会再開発」の議論範囲である。もちろんそれ以外に歌舞伎町1丁目1番地(ゴールデン街から東京電力、靖国通り面)やその他の街区一体開発の議論もあるが、中核はシネシティ広場周辺にある。

 

↑シネシティ広場再開発後のイメージ図(図案:てらたにこういち)

そこで、その中核のさらに核でもある50周年を迎えた新宿TOKYU MILANO(㈱東急レクリエーション)の再開発部会の座長であり、且つ映画興行部門もトップでもある会田郁夫専務に話を聞いた。

㈱東急レクリエーション 専務取締役 会田郁雄氏インタビュー
 
会田郁雄 昭和18年12月19生まれ(62歳) 映画「ET」(1982年12月4日から翌年5月27日まで公開)で一興行(一つ映画に対し一つの映画館での興行成績)の売上記録7億2220万円はギネス記録。その当時の新宿ミラノ座の支配人。現在、109シネマズ等を含め東急の映画チェーンを運営する㈱東急レクリエーションの映画興行部門のトップでもある。最近では、企業として映画製作への出資も行っており、「博士の愛した数式」「GOAL!」などが記憶に新しい。


■新宿TOKYU MILANOの変遷について
昭和31年12月1日、新宿東急文化会館(ミラノ座)に1650席、渋谷に渋谷東急文化会館(渋谷パンテオン)に1500席のそれぞれ日本最大級の映画館としてオープンした。それからちょうど50年を迎える。新宿東急文化会館は、当初ミラノ座(現在ミラノ1)と新宿東急(ミラノ2)の二館からスタート、その後新館建設に伴いシネマミラノ(現在のミラノ3)、まもなくシネマスクエアとうきゅうをオープンした。
当時、映画興行に単館という概念は無かった。強いて言えば岩波ホールくらいであった。その中で、初めて単館映画をビジネスとして、また新たな文化発信の形として捉えたのがこのシネマスクエアとうきゅうである。
もともと、新宿東急文化会館の前身は、新日本興行という戦後すぐの会社で、戦前国策会社であった満州映画で働いていた映画関係者・興行関係者で作った。つまり当初から映画産業は基幹産業だった。戦後、とくに娯楽の少なかった時代に映画を最大の娯楽と捉え、あわせて東京スケートリンク、これは後にボーリング場になったが、こういったレジャー産業を軸に今までやってきている。
印象に残っている興行としてはETがある。たとえばオールナイトで一晩で6千名を集めた。正月の一週間興行で7万名を突破した。ということは、1日1万名がこの映画を観にやってきたということになる。そして一つの映画で公開から終了までの一興行成績が7億2220万円という、今考えるととてつもない数字を稼ぎ出した。これはら、全てギネスに載った記録です。(会田専務はその当時の新宿ミラノ座の支配人である)
当時は、文化・ファッションなどあらゆる部分で映画が時代を引っ張る先見性のあるものとして、またオールナイトの需要が非常に高かった。特に土曜のオールナイトがすごかった。当時、土曜も会社があった時代ですから、仕事を終えて歌舞伎町に遊びに来て、飲んだからもう電車が無い。そこで、観たかった映画を観るという形があった。当時オールナイト人口はここ歌舞伎町で約6千名といわれていた。
すごい光景として今でも頭に焼き付いているのは、歌舞伎町はまったく人が切れないんですね。朝の4時5時、歌舞伎町から駅に向かう人がまさにラッシュでした。ところが帰るだけじゃない、また朝、人がこの街に来てるんです。すさまじいエネルギーがありましたね。もちろん、歌舞伎町の魅力は映画だけじゃない。昔から、この街は危険ぽい街でした。若者って言うのは、不良性感度とでも言うか、ちょっと冒険したいとか、ああいう盛り場で飲んでみたいとか、そういうところにある映画館で観てみたいとか、そういった面も非常にあったなと思います。平々凡々とした生活の場所から非日常を経験したい、歌舞伎町自体が街全体がイベント広場というか365日お祭りのような場所ですからね。僕は、今でも歌舞伎町が持っているこの雰囲気が大好きですよ。

■劇場街再生が目指す姿について
シネシティ広場を取り巻く映画興行各社、ミラノにしてもコマ劇場にしても今年で50年を迎える。当時、あれだけ斬新で活況を呈してきたこの劇場街が、今や時代に合わない建物になってきているのは事実です。14の映画館、2つの劇場が広場を取り囲むようにあり、シネコン全盛の時代になっても歌舞伎町は「青空シネコン」といわれてきた。そういう形でやってきたが、周囲に最新のシネコンが続々出来てきている。来年には東映が新宿3丁目にシネコンをスタートさせる。その次の年には歌舞伎町と新宿駅の中間に新宿松竹がシネコンをスタートさせる。そうした状況の中で、ここも再生しなければいけないなと考えている。
そんなに遠くない時期に、目安的には2010年から2010年代を目標に、シネシティ広場周辺の興行各社共同で劇場街を再開発し、まったく新しいシネコンを核にした複合商業施設を作ろうとしている。歌舞伎町は日本最大の映画館集積地であった。これは維持していきたい。そこには、相当大きな20館以上のスクリーン数の入ったまさにメガコンを出来ないかと研究している。

劇場街を形成する興行各社(通称四葉会)は、共通しているのは映画が基盤である。ですから映画に関しては4社共同でというのは変わらないと思う。そこで、4社共同で興行会社を立ち上げると言う方向になると思います。もちろん、そこで日本一のシネコン、それも2010年代における最新鋭のシネコンを作ることを前提に考えていくことになる。当然それなりに大きな建物になるわけですから、ここは特区というものを最大限活用していくことになる。もちろん、特区にしていくためにはそれなりにやらなければいけない公共貢献などいろいろ条件はあるだろうから、そういった条件を入れ込みながら核テナントをジャンルごとにどういうものを入れていけるのか。これについては、まだ具体的には決めておりませんがアイディアを集めているところです。

今年、文化放送が新宿を去っていきました。以前はフジテレビが新宿にあった。新宿の中には大手のメディアというのは無いんですね。放送局の誘致、スタジオの誘致というのも案として入っている。また、日本はこれからITの分野でもアメリカなどに追いついていかなくてはならない。そういった意味で、スタジオも含め可能性のあるアイディアとして、たとえばGoogleやAppleを誘致していくというのを検討していくのもいいかもしれない。そういう意味では、総合レジャー、ホテル、商業施設、オフィスなどいろんなものが入ってくるでしょう。たとえばオフィスには、今のではなく5年後10年後のトップ企業、最先端の企業誘致というのも含めて検討していくことになるでしょう。

50周年記念上映として12月1日より新宿ミラノ1にて「007/カジノ・ロワイヤル」(配給:ソニー・ピクチャーズ)11月30日は前夜祭としてジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグが来日舞台挨拶(19:15より)【告知】

■50周年番組「007/カジノロワイヤル」について
新宿TOKYU MILANO 50周年記念作品として「007/カジノロワイヤル」が新宿ミラノ1で12月1日から上映される。このシリーズの第一作目が「007/殺しの番号」で昭和38年6月1日にここで初めて公開された。この作品はドクター・ノオということでのちにリバイバル上映されている。今回の「007/カジノロワイヤル」は、シリーズ21作目、ジェームズ・ボンドも初代のショーン・コネリーから数えて6代目をダニエル・クレイグが演じている。007までになるまでの過程を原点に戻って描いているので、甘さとかより荒々しさという部分が強く、これを迫力のあるスピーディな映像で見せているというのが見処ですね。

「007/カジノ・ロワイヤル」
遂に明かされる、007への危険で過酷な道のり──
これは、若きジェームズ・ボンドが“007”になるまでの物語
若きジェームズ・ボンドの最初の任務と最愛の女
今、過激で切ない007への第1歩が始まる──

新宿TOKYU MILANO「おかげさまで50周年」

TOKYU MILANO(映画・ボーリング等)に関するエピソードを、劇場ロビーに設置されている応募BOXに入れてください。抽選でプレゼントが当たります。

■商品

  • クリント・イーストウッド作品DVD4枚セット 3名
  • ソニー プレイステーション3 1名
  • 東芝HDD&DVDレコーダー 1名

 

↑11月30日に行われた「007/カジノ・ロワイヤル」公開前夜祭に訪れたNewボンド役のダニエル・クレイグをはさんでおすぎさんと吉川ひなのさん。既にアメリカで大ヒットしているだけにマスコミ注目度もかなり高い。プレスの数がすごかった。新宿TOKYU MILANOでは、「007/カジノ・ロワイヤル」は1月中旬まで公開予定だが(ミラノ1、ミラノ2で「硫黄島からの手紙」(配給:ワーナーボラザース)とあわせて上映、館の入れ替わりはある)、その後のこれもまちがいなく大ヒット映画になる「ディパーテッド」(配給:ワーナーブラザース)でも公開前に主役級(おそらくレオナルド・ディカプリオ)が日本を訪れるという話がある。歌舞伎町に来るかどうかは50%くらいの確率かな。。いずれにせよ、007、ディパーテッドとヒット作品が続く興行界の2007年のスタートダッシュを期待したい。


新宿TOKYU MILANO 50周年パネル展開催~11月30日より1月19日まで新宿TOKYU ミラノ1にて

 

50周年を記念して11月30日の「007/カジノ・ロワイヤル」公開前夜祭より、新宿TOKYU MILANO 1Fミラノ1のロビーでは、「TOKYU MILANO 50年の歩み」とあわせて、1965年から40年間新宿歌舞伎町を撮り続けて来たカメラマンの故・渡辺克巳氏の写真展がパネル展として掲出される。

 

「世の中に悪い人はいません。悲しい人がいるだけです。」渡辺克巳

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民主党・海江田万里氏に聞く-選挙の結果の向こうに何が見えるのか。【8.30総選挙東京1区立候補予定者インタビュー第一弾】 [インタビュー]

7月21日の麻生首相による衆議院解散を受け、第45回衆議院議員選挙は8月18日(火)公示、30日(日)投票日という日程で実施される。7月27日には民主党(鳩山由紀夫代表)が「政権交代。国民の生活が第一。」と題した民主党の政権政策マニフェスト2009(PDF版)として、自由民主党(麻生太郎総裁)は7月31日に「日本を守る、責任力。」のタイトルでマニフェスト要約版(PDF版)政策BANK(PDF版)がそれぞれ公開された。

小選挙区比例代表並立制が導入された1996年の総選挙(第41回衆議院議員選挙)以降、東京都第1区(新宿区・千代田区・港区)はまさに日本の首都機能および東京都庁なども含むこの国の政治的中心選挙区。過去4度の選挙で自民党・民主党それぞれ二勝二敗、2000年の総選挙では2500票差、2003年は1500票差と自由民主党からは与謝野馨氏、民主党からは海江田万里氏との間で激しい選挙が繰り広げられてきた。

前回2005年の総選挙では小泉内閣の郵政民営化を争点に刺客選挙が話題となり、自民党が圧勝、東京都第一区でも与謝野馨氏が5万票近い大差で勝っているが、いずれにせよ東京都第一区からの当選者はそれぞれ常に政府での重いポジションに就くことも想定され動向が注目される。そこで、第45回衆議院議員選挙を控え、この東京都第1区からの立候補予定者である自由民主党与謝野馨氏、民主党の海江田万里氏にそれぞれインタビューを申し込んだ。※東京1区(新宿区・港区・千代田区)立候補予定者、自由民主党・与謝野馨氏インタビューはこちらへ→自民党・与謝野馨氏(財務大臣・金融担当大臣)に聞く-選挙の結果の向こうに何が見えるのか。【8.30総選挙東京1区立候補予定者インタビュー第二弾】

今回は、取材申し込み後すぐに返答をいただき応じていただいた民主党の海江田万里氏のインタビューを掲載する。

DSC01724.JPG海江田万里氏

◇プロフィール:1949年、東京生まれ。慶應義塾大学卒業、参議院議員秘書を経て、経済評論家として新聞、TV、雑誌で活躍。1993年衆議院議員選挙(東京1区)に日本新党から立候補、当選。日本新党解党にともない、新党・市民リーグを結成、代表になる。1996年鳩山由紀夫氏、菅直人氏らと民主党結成。同年の衆議院議員選挙で再選。党の常任幹事、国際交流委員長などを歴任。国会では予算委員会、決算委員会、大蔵委員会に所属。2000年 衆議院議員選挙で三選を果たす。党の東京都連会長に就任。国会では国家基本政策委員会、予算委員会、財務金融委員会に所属。2002年党政策調査会長、第四次鳩山ネクストキャビネット(次の内閣)官房長官。2003年衆議院議員選挙で激戦を制し、四選を果たす。国家基本政策委員会理事、予算委員会委員。2004年岡田克也代表による新体制のもと、ネクストキャビネット(次の内閣)厚生労働大臣に就任、民主党の年金改革案づくりに尽力。岡田代表の再選に伴い、ネクストキャビネット(次の内閣)経済産業大臣に就任。2005年衆議院議員選挙で惜敗。◆ 趣味: 絵画鑑賞、映画鑑賞、読書、漢詩◆ スポーツ: 野球、剣道(二段)◆血液型:AB型◆ 座右の銘:人生意気ニ感ズ(海江田万里Websiteより)

◇インタビュー

  • 寺谷:~海江田万里HPより~時代の空気が変わる~『かつてイギリスで「英国病」が蔓延したときに、国民は政権交代を選び、保守党のサッチャー政権が誕生しました。その政治が行き詰まると、今度は労働党のトニー・ブレア氏に交代です。こうして政権党が変わることによって時代の空気を一変させてきた歴史があります。「日本病」とでも表現すべき現在の日本の経済・社会の状況を変えるのに政権交代が必要なときです。』 ・・・海江田さんのHPを拝見し、そこに日本は今や「日本病」だと、つまりこの国は病んでいると書かれてますよね。

海江田氏:「病んでいるというのは、一つは、若い人たちでさぁ、ホントに職が無いわな。ホントに可哀そう。しかも職があっても、それが派遣であったり契約であったりと。若い人たちに職が無いということはね、例えば年金の制度だってほとんど入ってないよね。それはやっぱり、日本の社会の根本が崩れていくことになるから、はっきり言って、お年寄りの福祉ももちろん大切だけれども、これから先のことを考えたときに、若い人たちがまさに非常に不安定になり、浮遊しているというか、まさに根が無くなっちゃっている。社会との結びつきが無くなっちゃっている。だから浮遊、浮かんでいることだけれど、これはやっぱり僕は大変なことで、日本のメルトダウンというか、これからの社会がどんどん中心部から溶け出していくということにつながっていくんじゃないかな。イギリスもかつては若者の失業率が高くて、日本ではまだ失業率は5%台だけど、あれは失業の定義がイギリスと日本では全然違っていて、自分で働く上で職安に行って求職票を出してさ、でやんないとカウントされないんだけれども、そうではない人が大量にいるわけですよ。最初っからあきらめて。
日本が病んでいる一番の理由というのは、若い人たちがそういう意味では根なし草なっているということ。社会だとか家庭だとか会社だとか、そういうものと全く切り離れて漂っている、漂流してると、そういうのが一番の問題だなと思ってます。」

  • 寺谷:雇用の問題というのは、やっぱり今は大きいということですね?

海江田氏:「非常に大きい。だから、僕はなにも全部が全部昔みたいに終身雇用でいいとは思わない。それはやっぱり雇用の多様化というのはあってもいいと思う。いろんな働き方ね。選べる。だけど、それはたくさん仕事があってその中で選べることと、今みたいに全部門戸を閉ざされて。正社員だとかなんだとか、自分の働きたい場所の門戸が閉ざされてしまって、ああいう、日雇い派遣なんて言葉もあるくらいにさ、そういう働き方をしているというのは、これは雇用の問題からすると大変大きな問題で、若い人たちの中で、ま、これは若い人に限らないけれど、雇用っていうのはやっぱりね、『働く』を『他(はた)楽(らく)』、自分以外の他、周りを楽にするという言い方もあるけど、人間て言うのは働くことを通じて自己実現が出来るんだよ。あなただってだろ?みんなそうなんだよ。だから、(仕事を持てないことは)自己喪失につながるからね。だからこれらの問題は何としても、全部が全部正規社員じゃなくて契約社員もあってもいいけど、今のようなあり方というのは異常なあり方で、一番望ましい社会というのは、職業選択の自由じゃないけれども、働くところはたくさんあるけれども、自分は正社員になるよ、自分は期間で行きます、自分は派遣で行きます、そういうような選択肢がたくさんあって、その中で選んでいくのが一番いい。だけど、今はそうじゃないから。だから、僕は(働きたい人に)選択肢があるような形にしていきたい。」

  • 寺谷:非正規雇用の問題がこの国で深刻な状況になってよく取り上げられてますけれども、いわゆる非正規雇用の方たちの権利を拡大していきましょうというどちらかというとそういう話になっているようですが、僕が思うのは、プロセスとしてなんですが、結果は同じものを求めるんですが、僕は、いわゆる正規雇用、正社員の権利を縮小、あるいは制限していく方が近道なんではないか?という気がしている。非正規雇用者の権利を拡大していくことは、経済活動へどうしても負荷がかかる。今はむしろ、正規雇用者、つまり社員、既得権利者側の権利を縮小することで非正規雇用者の状況に近づけるほうが現実的ではないかということです。この国の問題でもあろう、正社員は首が切れない、その最たるものとして公務員も首が切れない、これを改革されるおつもりならば、まず、その元凶になるのが、公務員制度にあるのではないか。要は首が切れないという話です。公務員であれ正社員であれ、首が切れない、その問題を考えると、じゃ、もう少しラクに首も切れると、そういう段階から目指した方が無駄を省く意味でも現実的なのではないか?

海江田氏:「それは、傾聴に値する指摘であって、僕は、公務員も、今は首が切れない、もっと解雇できるシステムにした方がいい、直した方がいいと思う。その変わり、雇用保険に入って下さい。だから、別の言い方をすると、公務員を雇用保険に入れるということ。そうするとけっこう財源が豊かになるし、だからそこから入っていく、入り口としてね。それは前から考えていたんだ。公務員も雇用保険に入って下さい、ってことはその裏っかえしをすれば、公務員も首を切られる可能性がありますよってこと。それは、僕もまったく賛成です。」

民主党マニフェストより~■公務員制度の抜本改革の実施

【政策目的】
○公務員に対する信頼を回復する。
○行政コストを適正化する。
○労働者としての公務員の権利を認め、優秀な人材を確保する。
【具体策】
○ 2008 年に成立した「国家公務員制度改革基本法」に基づき、内閣の一元管理による新たな幹部職制度や能力・実績に応じた処遇などを着実に実施する。
○定年まで働ける環境をつくり、国家公務員の天下りのあっせんは全面的に禁止する。
○地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する。
○公務員の労働基本権を回復し、民間と同様、労使交渉によって給与を決定する仕組みを作る。

  • 寺谷:今回、民主党のマニフェストの中にも、ひょっとしてそれを意図されてるのかなと思ったのが、公務員の労働基本権を認めるというのがありましたね。

海江田氏「あれは違う。」

  • 寺谷:そういう意図ではない?

海江田氏:「だけど、次のステップとしては、そういう考え方、僕みたいな考え方も出てくる。あれ(公務員の労働基本権)は、まずスト権、団体交渉権、団結権、この三つ、まず民間組合と同じように組合本来の権利が認められる、それはまず一つのセーフティネットだよ。このセーフティネットを作ったうえで、その次のステップとして出てくるのが、今の僕の言った考え方であって、その結果として出てくるのが公務員も首を切られることがあるよ、という話だよな。そういう段取り、今民主党が(マニフェストに)書いているのは第一ステップのところだけどね。将来的には、民主党の一員だからさ、そういう考え方もあると、これははっきり伝えといて。」

  • 寺谷:あと、もう一方で、これも関連付けられると思いますが、天下りの問題があります。正直、今の政治、自民も民主も公務員をたたきすぎじゃないか?官僚は政治にとっては優秀なパートナーであって、天下りをする官僚はすべて悪者、ととらえたアナウンスが多いが本当はそうじゃないのではないか?確かに一部の天下り構造は無駄な歳出を生んでいる元凶にもなるが、一方で「官民の人材交流」と捉えた場合、むしろあってもいいもののように思える。国家公務員の天下りの斡旋を全廃しますということを書いていますが、これも僕は逆じゃないか?と思うのが、いや、天下りはあってもいいんじゃないか?という、ただし、官民の人材交流でなければいけないというのかな。例えば、アメリカの例ですけれども、政権が変わるごとに幹部職員が変わるじゃないですか?幹部職員は確かにクビになるんですけれども、民間のシンクタンクなんかに行ったりする。そして、政権がまた変わると政府職員に戻ったりするじゃないですか。あの行ったり来たりがわりとシステム化されているんですか?

海江田氏:「アメリカのは、『回転ドア』って言うんだよ、呼び名で。ぐるぐる回って、『官』に行って、『民』に行って、『学』もある。官・産・学、この間を行ったり来たりする。これを『回転ドア』って言うんだよ。日本は、まさに『天下り』、天孫降臨じゃないけどさ、上から下りてきたという話で、方向が一方的。ごく稀に天上がりもあるけれど、本当に極々稀なケースであって、天下りの問題っていうのは、今の公務員制度で、いわゆるキャリアとノンキャリアというのが厳格に分かれている。天下りがある、それからあと、一人が生き延びて、女王蜂みたいな世界でね、他は全部途中でやめて行く。これはキャリアの世界の話なんだよ。で、ノンキャリアの人たちは定年まで勤めている。
僕は、まず、キャリア制度を廃止すべきという風に思っていて、その上で定年まで働きたい人はちゃんと働かせましょうと、ね。
だから、一人が次官になったって、同期や先輩が役所の中に残っていたって全然構わないじゃない。今の公務員制度を改革した上で天下りを全面禁止する。で、今あなたが言った『回転ドア』というのは、これは自由ですよ。どうぞ自由にやってください、その形を後押しするような、まぁ、官民交流センターがあってもいいかもしれないけれど、今の官民交流センターはそうじゃないからね。本来の意味での回転ドアの斡旋をする機関があるのは、それは構わないと思うけれど、だけど、原則、自分の力でやって下さい、それは自分の力でやる話だから。今のは、ホントに役所が全部やるんだからね。」

  • 寺谷:ということは、自力でやることについては妨げないが、斡旋はしないということですね。

海江田氏:「もちろんその通り。しかも、その斡旋が、役所の力を背景にしてたり、役所の税金の使い道を背景にした、天下りした先に随意契約を結んで、高い契約、高い値段で買い取らせるとか、そういうのがあるわけだから。それは全廃するんだから。」

  • 寺谷:それは、ただ単に天下りを無くすということだけでなく、その先のこともあるということですね。

海江田氏:「それはもちろんね、官の中にも優秀な人はたくさんいるわけだから、その人たちの力を民間で活用するということは大切なことだからさ。それに、最初に20いくつか(の年齢)で決めたことをそのまま(一生)続けて行くなんていうのは可笑しな話であってさ。だからアメリカみたいに自由に回転ドアになればいいんだよ。自分の力でやって下さいっていう。公務員制度の改革というのは、今言ったようにキャリア・ノンキャリアを分けるのをやめて、で、やりたい人は最後まで定年退職までやって下さい。定年退職も世の中と同じように62くらいまでのばしゃいいじゃないかと。」

  • 寺谷:それが、社会全体の民間の雇用のあり方にも繋がっていきますね。

海江田氏:「そうそう。」

  • 寺谷:雇用というものは、一つに、内需を支えているものですから、やっぱり今この国は内需をなんとかしなくてはいけない。

海江田氏:「それが大事なポイントで、ここが自民党と民主党の一番の違いなんだよ。自民党の一番極端だったのが、小泉・竹中の括弧つきの『改革路線』で、彼らはやっぱり内需に頼らなかったんだよ。内需に切り替えしようとしなかった。だから、外でもって、貿易やって、あるいは現地で作ったものを売ってという話になると、必ず国際競争力っていうのがキーワードになるわけだ。で、国際競争力を強めようと思ったらまずどうするかと言ったら、雇用を犠牲にするんだよ。あるいは雇用は、正社員は雇っていても給料を犠牲にする、いわゆる彼らの言う固定費のところを圧縮することによって競争力をつける。だから一連の流れなんだよ。ここを根っこから切り替えをやる、自民党はまだ、その切り替えが出来ていない。今度だって、確かにアメリカが景気が悪くなって、中国だとかインドだとか、また相変わらず外需に頼った景気回復を考えているけれど、それじゃだめなんだ、はっきり言って。内需にしなきゃいけない。で、内需に一番大切なのが雇用、雇用と賃金、これが第一。二番目に大切なのが社会保障の制度。
今の日本は個人の金融資産が1400兆ある。その個人の金融資産が全然回らないんだよ。氷漬けになっちゃうんだよ。昔、笑い話だけどさ、金さん銀さんが元気だったころ、テレビ局に行って放送者賃もらって、謝礼もらってさ、このお金どうしますか?って言ったら、いや、老後のためにとっとくって。これは笑い話だよ、本物じゃないけど。だけど、事ほど左様に、不安がいっぱいあるから、ホントは使ったっていい人たちなんだよ、あの人たちは。でも、そう人たちだって使わない。結局最終的には自分の人生さ。僕はお金で買えない幸せもあるけど、お金で買える幸せもある、年取ってっからね。僕だって海外に船で全部行きたいしさ、それから将来病院に入院してさ、一日何万円もする差額ベット代払って、これが二年三年続いたらどうしようって思ったら全然お金なんて使えないもんな。その人にとっては不幸なことでしょう。だから、そういう社会保障の制度を最低限整えるということ。雇用と社会保障制度、これが内需拡大の切り札です。」

  • 寺谷:僕は、ビジネスチャンスも作らないといけないんじゃないかと思ってます。どうしても優先順位が既得権に行きやすいからこそ、少し社会的な変化を起こすようなきっかけになるものをつくる、よく自分は投資誘導が重要という話をするんですが、投資というのは必ず成功者と失敗者をつくる、当然両方いるわけですが、失敗者をつくることを恐れないことも大事だったりするじゃないですか、現実に。

海江田氏:「セーフティネットって言葉があるでしょ。あの、セーフティネットっていうのは、まさに、サーカスの安全俸なわけだ。サーカスがあれだけ大胆な、シルクドソレイユにせよ、ラスベガスなんかでやっているショーなんかでもさ、あれだけ大胆なお客を魅了する演技が出来るのは、ちゃんとセーフティネットがあるからなんだよ。だから、僕はセーフティネットというのは、単に弱い人、貧しい人を救うということじゃなくて、むしろ、競争やってください、もっと自由にお客を魅了するような演技をやってくださいと。それがまさにビジネスチャンスだと思うんだよ。そこに(セーフティネットが)あるから自由闊達な演技が出来るんだよ。今の日本はさ、失敗したら、それこそ一年間に三万人も自殺しているわけだからさ、こんな社会じゃホントの意味での、さっき言った競争力、国際競争力ね、とは違う意味での、本当の意味での競争とか、新しいイノベーションだとか、新しい技術の革新だとか、そういうことが出来ないと思うよ、この社会では。かえってないことによって。」

  • 寺谷:内需の拡大や社会慣習の変化の一環として、前回都議選のときに民主党にお願いしたのがいわゆる公共交通機関の24時間化を実現できないか?という話だったんです。

海江田氏:「なるほど、わかった。じゃ、僕は公共交通機関で、これは前からの持論だけれど、これは直接国の政治ではないんだけれど、プラムってあるでしょ?」

  • 寺谷:プラムとは?

海江田氏:「東京で言うと都電、あれを復活しようと。これが僕の前からの持論。それで、そういう国会議員の会合もあってさ。」

  • 寺谷:それって今でいう都営地下鉄のことでは?

海江田氏:「地下鉄じゃだめだよ。路面電車だよ。地下鉄は下へもぐっちゃうからさ、あれだと乗って何やっているかっていうと、本読んでいるか、メールやっているか、本を読んでいるか。ダメダメ。しかも年よりはあんな深いところ行ったり上がったり、高齢化社会なんだから。
ヨーロッパにはみんなあるじゃない、路面電車が。その変わり、車は途中まで行って、中には車は入れない。」

  • 寺谷:トランジット・モールですね。

海江田氏:「そうそう。で、都電を一回復活させて、そうするとそれに乗っているといろんな街の風景が見えるんだよ。面白そうな店が出来たからちょっと下りてみようかとかさ。そういうことが出来るわけ。一日乗り放題見たいな切符もってさ。そういうのが絶対必要で、で、地下鉄はむしろ物流に使えばいいと思う。」

  • 寺谷:地下鉄を物流に、そうですね、それはありますね。

海江田氏:「だから、そういう意味での交通機関のもう一回の再配置というか、高齢化社会なんだから、高齢化社会にあったゆとりのある、環境に優しい公共交通機関、それも路面電車。今、富山だとか、いくつか復活しているけれど、日本の中心の東京に無いなんて絶対おかしい。歌舞伎町だって昔は路面電車の出発点だったんだから、僕はもう一回、歌舞伎町にね路面電車を。今でも泪橋のところにあるけどね。あれをもっともっと復活させたい。」

  • 寺谷:あ・・その、僕が言っているのは、山手線であれ地下鉄であれ、一時間に一本でもいいから夜走っていたほうがいいんじゃないか、ってことです。

海江田氏:「ああ、そりゃそうだね。」

  • 寺谷:ただ、そのために一つネックになるのが、せっかく国政ののであれですけど、前回民主党さんは都営地下鉄大江戸線の一時間に一本でもいいから走らせるくらいのことからだったら可能性はあるよ、という話が出ましたけど、僕は営団地下鉄(メトロ)のこともあると思うんですよね。営団地下鉄は国の話ですよね。国として見た場合に、営団地下鉄は国が資本を出しているということと、超優良企業であるということ、都営地下鉄は都が資本でありながら赤字、そこで両方とも株式会社であって、資本が異なる、成績が違いすぎる、となって合併が進まない。そのことによる無駄は大きい。交通インフラというのはネットワーク性あってこそ有効なもので営団地下鉄と都営地下鉄は合併すべきじゃないかと思うんですよね。ただ、それは都だけでは出来る話ではないから国の話として伺えたらなと。

海江田氏:「僕は、まだ24時間走らせるかどうかを考えたことはあまり無いけれども、限りなく24時間に近いようなやり方は、やろうと思えば出来るわけだ。朝は少し早くしてさ、高齢者も朝早いからさ。それから夜を遅くして限りなく近づけていけばいいんだけれど、公共交通機関の再編成というか、都電と地下とをどういうすみ分けにするかとか、それから今君が指摘した営団と都営をどうするかという話、もう一回再編成をある程度国が関与して、国のレベルで、でも国に集めるという話じゃなくって、方向性を出すと。そういうことは必要だと思うよ。」

  • 寺谷:それを進めていくということで、公共交通機関のネットワークの再構築というのはですね、例えばバスの話なんかも出てくるでしょうし、そもそも電力の消費の話にも関わってくるだろう。少し話題が離れますが、夜間電力のことってあると思うんですね。
    とくに深夜電力って今安いんですけれども、現実にこれって余っているからですよね。昼間の消費電力が高く、深夜の電力は余る、そこで発電を調整しなくてはいけなく、そこに環境負荷がかかっている。要は、それをどう馴らしていくかっていうなかで、たとえば深夜の電力の蓄電などが求められるとしたら、それはこれからの原子力行政にかかってくるんじゃないかと。
    政府はこれまで原子量区発電を40%まで増やそうということになっていますけれど、となればその昼間・深夜の発電における調整弁の幅は大きくなっていきますね。その場合、どのように考えて行けばいいのか、夜間電力の蓄電というものと、夜間電力の利用、これは環境負荷軽減のために必要なことなのではないか?

海江田氏:「なるほど。それはその通りだね。東京は24時間眠らない街にしようという言い方なのか、これはバブル経済のときにそうなったけど、だけど24時間眠らないと疲れちゃうんだよな。だけど、高齢者は夜早いけれど朝早いと。若者は夜遅いけど、朝は遅い。そういう多様な、東京なら東京の街が若者だけの街であるとか、地方がお年寄りだけの街であるとか、これがやっぱりおかしいんだよ。だからみんなが住めるような街にすると。その中から当然のことながら昼と夜のすみ分けみたいなのが出てくるんで、みんなが住みやすい街にしようとなれば当然昼と夜の入れ替えだってあるわけだから、それで結果的に一日中交通機関が動いているとか、店が開いているとか、そういう考え方だろうねこれは。」

  • 寺谷:そこで、東京1区、ということになるのですが、実はこれまでの言い方と少し矛盾するかもしれませんが、僕はそれでも東京の一極集中はよくないと思っている。今この街は昼間人口3000万、世界で最大だそうです。ある意味異常に肥大化した都市です。もちろん東京じゃないと飯が食えないからそうなっちゃうんでしょうけど、多分これはまずい。本来地方が元気でこそ東京も生きてくるんだろうなと。

海江田氏:「やっぱり地方分権なんだよ、はっきり言って。地方分権というとすぐ道州制っていうけど、僕らはあんまり道州制よりも、もうちょっと今、基礎的自治体と言ってもっと生活に身近なところを再編成していって、そっちに中心をおいていこうと言う考え方なんだけれど。
地方分権、たとえば海外にはいろんな例があるよ。ドイツなんかはそうだな、フランスはどちらかというと中央集権に近い。歴史的にみると、江戸時代の日本を連想してみればいいってよく言うんだよ。もちろん僕は生きていたわけじゃないけど、ものの本で読んで知った江戸時代だけれども、江戸時代というのはそれなりに300諸侯いてさ、それぞれ教育から何から警察から全部(地方)が握っていて、生活、産業までそうだよ。で、意外とうまくいってた時なんだよ。で、国防だとか、外交だとか、通貨の発行だとか、これは江戸幕府がもってたということで、もちろん今中央政府の役割というのは他にも増えてきているけれど、基本的には江戸時代みたいな幕藩体制みたいなのを想定してもいいんだよ。それが案外結構、今でも地場産業ってのはだいたいその時代に興ってきたでしょ。だからそういう形に大胆にさ、地方分権を進めると。
だから、そういう意味で言うとホントにすごい大きなまさに大きな革命であって、明治維新以来、まさに幕末以来だよな。もう一回ばらばらにするわけだからね。だけど、日本全体の国力なんていうことを考えて行くと、それもやってみることは大事かなと一回ね。」

  • 寺谷:地方分権で僕が感じるのは、法体系の問題もあるんじゃないかと。簡単に言うと、一つの法で一つの国を統治するのに限界が来ている感じがする。

海江田氏:「アメリカがそうなんだよね。まさに州法なんだよね。」

  • 寺谷:国の法律と地方の条例とどっちを上位にすべきか?現実として僕が歌舞伎町で関わっているところで、海江田さんもお詳しいと思いますが、風営法のことがあります。風営法は昭和33年の風俗営業取締法の時代から基本法体系はほとんど変わっていない。

海江田氏:「法体系で言うと、法律と条例の問題、それから実はさっき僕は分権って言ったけど、これは官僚制の問題でもあるんだよ。風営法はまさに、官僚で、全部中央官庁がこうあるべきだという形で、それでまぁ自分たちの権限を増やすためにさ、特に営業関係の、刑法は別だけど経済法なんかはずいぶん官僚が自分たちの権益を増やすために作ったものがたくさんあるんだよ。地方分権というんだったら、仰るように、法律から条例へと、だから条例をもっともっとね強化しなきゃいけない。条例の数を増やして、そして法律の数を減らしていく、これは当然実態的に似合うものとしてね。
風営法については、あなたも専門だろうけど、風俗だけじゃなくて、たとえばゲームセンターだって、あれは確か、高校生までの子供は親がいても夜9時以降ダメでしょ、あれは?あんなのおかしいんだよ。悪いけれども。このエリアは、新宿なんかはまさにそうなんだよ。このエリアはそれこそまさに条例でもって、遅くまで子供がいてもいいですよ、ただもちろんいろんな犯罪を犯しちゃいけないからそこのところはしっかり網をかけるけれど、だけど何時にいちゃいけないなんて、みんながみんな犯罪するわけじゃないんだから、夏休みだってあるわけだから。だけど、それを一律とか、まさに風営法のところにきちゃうわけだから、地域の考慮もしないでね。そういうのは、やっぱり中央の官僚の権限を落としてね。
それから、条例というのは、東京都の条例もそうだよ。これもまた、ほとんど都の役人が作ってるんだよ。これは東京都議会の民主党には僕は前から言っているんだよ、もっと条例を(議員自ら自分たちで)作れと。国はやっと、議員提案の法律というのが少しづつ出来てきたんだよ。東京都なんか全然ないからね。オレ一回調べたんだよ、石原さんのとき。わずか4件だよ、議員提案の条例が。そりゃダメだと。(都議会は)国から10年20年遅れているよと。そういう形で、生活実態に合った、地域にあった条例をつくっていくと、いうことは大切なことだよ。分権の、あんまり言われてないんだよこの点は。」

  • 寺谷:最近は特区というのを利用するケースもあるが、地方分権のあり方は、特区のようなあり方をもっと進化させたシステマチックなものにすればいいように思う。

海江田氏:「うん、それから特区というのは、それこそここだけは特別だよということだけれども、地域の自発性だとかなんだとかが、出てくることを今まで妨げてたからそこに穴を空けたと言う話だけど、一回全部日本全体に穴を開けないとダメだよ。要するに日本全国を特区にしたっていいわけだよ。ただ、自分たちで考えてくださいよと。上からの規制はもうやりませんよと。少なくしますよっていう方向でやっていかないといけない。特区の数が30が100になってもこれじゃダメなんだよね。日本中全国を特区にするぐらいのつもりで、これまでかけてた不要な法律の網を一回外すと、いうことは大切だよ。」

  • 寺谷:となると、かなり大胆な、地方の意志を生かしながらもしかし全体のバランスというか高度な設計を国全体でやらないといけないところもある。まさにこれがこれからの政府の役割なんでしょう。

海江田氏:「うん、そう。だから政府の役割っていうのは、自己否定の論理なんだよ。中央の政府でありながら、中央政府がいかに自分たちを、ここに集まってた権限を手放していくかっていう話なんだよね。それを、最近はやりの言葉で国の形って言うけど、その国の形というのは、実は、明治維新以来ずーっと作ってきたその国の中央集権、せっかく集めたわけだから、中央政府の役人だとか、それから政治家の中でもその中央政府の権限を強めることによって自分たちの力を強めようとする動きがあったけど、ここは一回大胆にそれを手放していくかな。東京都がそうなんで、僕はどちらかというと道州制よりもさっき言った基礎的自治体、だいたい300くらいにするのが一番いいと思っているけど、東京都が東京都自身の分権をやらなきゃいけない。これは全然出来ていないからね、悪いけど。」

  • 寺谷:そうは言っても、東京は他の地方の自治体に比較して頑張っているように見えるのだが?
海江田氏:「まぁ、そうだね、アピールする力はあるけれどもね。でも、今の石原さんだとか猪瀬君もそうなっちゃったけどさ、とにかく国とけんかして東京に持ってくるって話ばかりじゃない。違うんだよ、東京都ってのは最後僕は無くなったっていいと思う、極端な言い方だけども。
東京都議会議員なんてのは、仕事やんないんだったらさ、何も専業じゃなくてさ、ドイツなんかそうだけど、区議会議員や市議会議員が兼職で時々東京都議会議員としてもやる、だけど、給料もらうのは区議会議員、市議会議員の給料をもらいますよ、だけど後はボランティアで東京都議会というのをつくってそこで必要な条例なんかを議論しますよという形であってもいいと思うんだ。」
  • 寺谷:時間がなくなってきたので、後2点伺いたいことがあります。中国が、世界ウイグル会議のカーディル議長来日に関し、日本に抗議をしめしている。カーディル氏の発言「一万人のウィグル人が消えてしまった。」、それと、これは7月30日のニュースだが、米国で最も人気の高い科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」7月号が、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で中国当局が実施した40数回の核爆発実験の放射能により、数十万ものウイグル住民が死亡した可能性があるとする記事を掲載した。これについて、どう思いますか?

海江田氏:「僕はね、実は中国と関係が古いんだよ。今から30数年前、1975年、シルクロードへ行ったの。その時に、一人暑いときに歩いてたんだよ。そしたら、ウィグル族の青年がやってきてさ、あんたどこから来たのか?って、僕は中国語しゃべれるからさ。日本から来たと、じゃこれ持って行ってくれって、手に古い上着を持っているわけ。で、ここに自分たちがどういう風に中国政府にいじめられているか書いてあるから、これを持って行って発表してくれって言った。それで、う~ん・・どうしようかなって思ってたの。まぁ、すごい真剣そうだったからさ、よし分かった、持って行ってやるって言ったらさ、金くれって言うんだよ。それで、すっかり白けちゃってさ・・・。金じゃダメ、ただなら持って行ってやるけど。
そしたら、金くれって、これは自分の命もかかってて、危険にさらされるんだからその金だと。そりゃ悪いけどダメだと。そういう話ならダメだと、そういった話が今から35年前ね。どこだったか、ウルムチじゃないんだよ、カシガルとかなんとかその辺なんだよ、シルクロードの。そういう原体験みたいなのがあって、あの彼がどうのこうのじゃないんだけれども、ただ中国は緩やかな連邦制にしなきゃだめですよ。そういう長い目で見れば、中国政府も早くそういうことに気がつかなきゃいけないし、だから僕は胡 錦濤とも何度も会っているけれど、僕は彼らに、胡 錦濤には言わなかったけれど、中国の人にね。あそこは時差がないんだよ、中国って国は。あれだけ広くて、4時間ぐらい時差があるのに、全部北京時間でやるわけだ。これじゃ、人々の、人間の生理を無視して押しつけてんだよ。これじゃあダメですよって僕は言ったんだ。随分言ったんだ、で、残念ながらまだ聞きとげられていないけど。
だからそういうところから変えて行かないといけない。全般的に言うと、誰が来るとか来ないとか賛成だとか反対だとかそんなことはどうでもいいのだけど、そういうことはやっていかなければ僕は駄目だと思う。」

  • 寺谷:このウイグル民族の問題はしばらくデリケートな問題になりそうですね。

海江田氏:「そうだね、なるよね。だから、基本的にあそこは、広すぎるんだよ。あの国は。歴史も、漢の時代とか、今までの歴史で一番広くなったんだから、そりゃやっぱり無理があるんだよ。緩やかな連邦制にしなきゃダメだ。もたない、あんな大きな国は。」

  • 寺谷:最後に記者クラブ制度について、民主党の最大の役割の一つ、『政治を国民の手に取り戻す』こと。そのためには、いかに政治を、あるいは国家の運営を開かれたものにするのか?情報公開という意味でいうと、記者クラブ制度について民主党は今まで党に関してはフリーの記者にも解放してますよね。政府になった場合、記者クラブ制度改革を踏まえ、まずは官邸もそうされる、ということになるんでしょうか?

海江田氏:「やるつもりだよ。政治家の資質の問題もあるんだよ。なんだって隠したって無理なんだからさ、だからあなたが来るって言ったら時間をつくるでしょ。」

  • 期待してます。そういう情報公開、政治のガラス張り化をするのは民主党の役割だと思うので是非お願いします。

「わかりました!やるからね。」

  • 寺谷:よろしくお願いします。ありがとうございました。

※寺谷公一による海江田万里氏インタビューは7月31日、11時より四谷三丁目の「海江田万里を支える会」事務所にて行われた。インタビュー時間は約40分。インタビューの全文を掲載した。


民主党のマニフェストを見ると、いきなり「政権交代」とくる。政権選択が争点?そもそも総選挙は衆議院の優位性が規定されている以上、当然ながら政権選択選挙であり、争点?というのはおかしな気もする。が、しかし、長らく与野党の実力が開きすぎていたから、これまで国民には選択権が無かったと思えば、ようやく国民に政権選択権が生まれた、つまりそれを選挙で示しましょう!ということなのだろう。

インタビューに与えられた約束の時間は30分、実際には約40分近くにはなっていたが、それでも快く話をしていただいた海江田氏に感謝します。前半、雇用と公務員制度改革、内需拡大と地方分権の話が深く出来た分、もう少し聞きたかった外交や防衛、武器輸出三原則の見直し、それと治安対策や警察行政などについてそこまで話が及べなかったのは、自分のインタビュアーとしての未熟さです、あしからず。さらに、もう少し具体的に掘り下げたかった「記者クラブ制度改革」なのだが、これまで民主党が党の記者会見をフリーの記者らにも開放してきたことを踏まえ、政権を取った場合官邸から変えていくつもりであることをはっきりと意思表示してくれたことで良しとします。自分は決して記者クラブ制度そのものを否定しているわけではない。それもあっていい、しかし、記者クラブ内の記者しか会見に出れないのはいけないと思っている。現状でも、フリーのジャーナリストはクラブの記者と交流しながら互いに情報を補完しあうことが可能だし、だが、行政や警察記者クラブなどは、クラブ主催の記者会見の体裁でありながら事実上警察が記者を選別し情報を制限させることが横行している。その弊害として記者クラブは体制の広報となり下がり、行政や警察、政府に不利なニュースは報道されにくく、またフリーはよって反体制的な報道になりがちなことなどが起きてしまう。情報を開示し、国民に知る権利を保障し、正当なジャーナリズムを育むためにも、記者クラブ制度は改革されなければいけない。そこで、民主党が政権を取った場合、官邸からそれを実行しようとするならば、それは大きな変化の始まりになるだろう。

この選挙の結果の向こうにある日本の姿、それはどういう形を目指していくのか、こうしたインタビューを通じて何かを伝えられたら幸いです。なお、同じく8.30総選挙東京1区立候補予定者である自由民主党、与謝野馨氏(現財務大臣、国務大臣(金融担当))のインタビューは次回掲載を予定。

◇第45回衆議院議員選挙・東京都第1区特集記事(時系列順)


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自民党・与謝野馨氏(現財務・金融担当大臣)に聞く-選挙の結果の向こうに何が見えるのか。【8.30総選挙東京1区立候補予定者インタビュー第二弾】 [インタビュー]

第45回衆議院議員選挙が8月18日(火)公示30日(日)投票日という日程で実施される。前回、8月5日にこのブログにアップした記事、“民主党・海江田万里氏に聞く-選挙の結果の向こうに何が見えるのか。【8.30総選挙東京1区立候補予定者インタビュー第一弾】”に引き続き、同じく東京1区(新宿区・港区・千代田区)より立候補予定者である自由民主党、与謝野馨財務・金融担当大臣のインタビューを行った。7月27日には民主党(鳩山由紀夫代表)から「政権交代。国民の生活が第一。」と題した民主党の政権政策マニフェスト2009(PDF版)、自由民主党(麻生太郎総裁)は7月31日に「日本を守る、責任力。」のタイトルでマニフェスト要約版(PDF版)政策BANK(PDF版)がそれぞれ公開されている。

東京都第1区は新宿区ほか港区・千代田区を含み、つまりは日本の首都・東京のさらにほとんどの首都機能を抱えるまさに首都の中の首都、選挙のたびに毎回激戦の選挙区となり注目度も高い。また、今回の選挙の自民党と民主党の争点の中心となるこの国の財政の部分、つまりは財務・金融担当大臣の現職である与謝野馨氏は自民党のまさに中心軸である。当然ながら民主党にとっても最大の対抗軸でもあり、いわば第45回衆議院議員選挙は『与謝野選挙』ともいえそうだ。

自民党・与謝野馨氏(現財務・金融担当大臣)に聞く-選挙の結果の向こうに何が見えるのか。

DSC02000.JPG与謝野馨氏(8月10日、四谷の与謝野馨後援会事務所にて)

◇プロフィール:1938年 8月22日生まれ。港区立麻布小、麻布中学・高校卒業
1963年 東京大学法学部卒業、サラリーマンを経て1976年衆議院に初当選(以来当選9回)
1994年文部大臣
1998年通商産業大臣
2004年自由民主党政務調査会長
2005年国務大臣(経済財政政策・金融担当)
2007年内閣官房長官
2008年国務大臣(経済財政政策担当)
2009年財務大臣、国務大臣(経済財政策・金融担当)
2009年財務大臣、国務大臣(金融担当) 
与謝野馨Official Web Siteより

◇インタビュー

与謝野「ああ、あれもよくお客さん来て下さって。」

  • 寺谷「与謝野さんのお話で一番印象に残ったのが、『引退期の終焉』という話でした。」

与謝野「なかなか、余生を楽しむっていう感じが、もうちょっと、70位まで働かないとダメなような社会になってきたんじゃないかな。」

  • 寺谷「昔の60代70代、今の60代70代比べると、与謝野さんも70になりますが。」

与謝野「元気だね。」

  • 寺谷「そういう時代がやってきて、いやむしろ一生働くことが生きがいにでもなるのであればそれもありなんじゃないかなと。」

与謝野「ビスマルクって言う、ドイツの首相が福祉政策の父と言われている。今から何年前ぐらいですかね、1870年とかそんな時代だから、今から140~50年前に、高齢者にお金をあげるっていう、これが福祉政策の始まりって言われてる。
その時ドイツの平均寿命は46歳だったという。だから、皆長生きになってきて、栄養もいいし、医療も整っているし、みんなも健康に注意してるから、どんどん元気で長生きになってきたから。平均寿命が50歳の時の定年制度が55歳なんですよ。だから、年金とか平均寿命とか定年制とかっていうのは全部時代に合わなくなってきちゃった。これは医学の進歩が大きいですよ。」

  • 寺谷「雇用のシステムだとかそういうのも全然追いついてない。」

与謝野「だから、時間がかかるんだけど、少しずつ定年を延長していかないと。
多分、こういう頭の実験をするとすぐ分かるんで、全員引退しているとすると、そういう状況では何も起きないんですよ。働いているのが一人しかいない、後は全部引退、成り立たない。少しずつ増やしていって、どこから先で成り立ついかなと。それから元気な人を、自分が持っているいろんな能力を生かせるような社会システムにしないと、ま、口ではいくらいくら年金をあげます、こうすると言ったって、元々の構成がよく出来ていないとやっていけないんですよね。」

  • 寺谷「政策と言うのは、長い時間をかけてじっくりやっていくものと、それこそ衆議院じゃないですけど、選挙ごとに結果や実績を積んでいかないといけないものと、二通りあるのではないか。例えば、今なんかの場合は無駄を省く、行政効率を上げるとか、そういうことを急務として求められている。」

与謝野「無駄を省くというのは、さっと終わる仕事じゃないですね。政治という営みを続けている限り、やはり相当熱心に、どこか無駄は無いだろうなというのを気をつけてみていかないと、これで無駄が全部綺麗になりましたという世界とか、行政改革はこれで全部終わりましたという世界はなかなかつくれない。だから、無駄を省くんだと、行政改革はいつもやるんだと、そういう絶え間ざる努力というのが求められているわけですよ。
この無駄という概念も、とても難しくて、お父さんは会社の帰りに一杯飲み屋で一杯やる、で、疲れを癒して帰る。奥さんからすれば、ウチ帰ってきてビール飲めばいいじゃないと言う。これも、全然見解の相違になっちゃう。奥さんが通信販売で高い化粧品を買う、旦那から見れば安いんで間に合うんじゃないかと。奥さんにそう言ったら、だってこれいいんだもんって言われたらおしまいだもんね。そこがなんか、無駄一般というのを議論するのはとても難しい。
そこで問題は、決められた通りにお金を使っているかどうかっていう、会計検査院のようなそういう考え方を常に持っていなければいけない。
それから、東京の人は地方に道路を作るというのを無駄だと思う人が多い。地方の人にしてみれば、この道路が一本無いと、片道1時間かかると、そういうのがある。なかなか生活環境によって考え方が違ってきちゃう。そこはなかなか、難しいところなんですけど、無駄は、無駄というか、元々こんな予算を作んなくてもよかったじゃないかというのはあるかもしれない。それから、こういう風に使いなさいと言ったのに、現場に行ったらろくでもないつかわれ方したと。そういうのはあると思うんですよ。ある。それを無くすように最大限の努力をしなきゃいけない、これは正直認めるんですけど、それを無くすと福祉がいっぱいできたり、これも出来たりあれもできたりっていう額じゃなさそうなんですね。」

  • 寺谷「自民党と民主党の議論の一番の違いというのは、簡単に言うとお金の話だと思います。お金があるのか無いのか。自民党、あるいは与謝野さんはお金は無いんだと、無いんだからこんなものだと。より生活・社会を充実したければよりお金はかかると。対して民主党は、例えば財務省の資料が嘘だと。この議論は、国民からはどうしてもある意味どうにもならないというか。」

与謝野「ですから、正直お金があるんだったら、もう我々使ってますよ。お金の溜まりはある。だけど、手をつけていいかというお金があるわけですよ。典型的なのは、年金で預かっているお金ですよ。これはやっぱり手をつけちゃいけない。それから国が売り買いしているもの、ドル、円、やっているわけ。確かに19兆お金が溜まっているんですよ、アメリカの国債があるから。今1ドル97円でしょ、そうすると20兆くらい損してるんですよ。だから、それはその穴埋めに使わないとおかしい。このお金は、実は、本当に余っているときは、1兆円とか、我々も使っていたんですよ。だから本当に余ったら民主党も使っていいんですよ。今は、バランスシートを計算するとマイナスになってますから、使っちゃいけない。
後は、政府が高利貸しをやったのがあるんですよ。政府が借りるというと安く借りられる、それで特殊法人とかなんとかお金が必要なところに高く貸していたんです。だから、ある程度お金が残った、それは事実。」

  • 寺谷「国民にとって不幸だなと思うのが、なぜそういう選択をしなければいけなくなったか。例えば天下りであるとか、官製談合、居酒屋タクシー、たて続きに続いてきた。そのことが政治不信であるとか、政府に対する不信感を国民が増大させてきたことで、どうやら民主党の言っていることのほうが正しいような『気がしてきて』しまう。そこに原因があるんじゃないかと。」

与謝野「仰る通り、どんなに細かいところでも、予算が理屈に合わない使われ方をしたら、国民は怒る、これは当たり前で、自然な感情でまったく否定しない。それは無くすための努力をしなければいけない。ただ、細かいところでなにかがあって、国民が、その話が全体に及んじゃっているんじゃないかと思ってしまうのは、国民にとって、政治にとって大変不幸なことですよ。」

  • 寺谷「だからこそ、仮に民主党に政権を持たせたらはっきりするんじゃないか、多分この『風』はそんなことで吹いていると思うんですよね。」

与謝野「私が申し上げたのは、民主党が政権をとったら、違う世の中になりますという・・・そこなんですよ。彼らの政策はスウェーデン型の高福祉の政策で、それは一つの考え方として成り立つんだよ。相当の覚悟を決めて、やんなきゃいけないと思うんですよね。それだけの覚悟をしたうえで民主党を選ぶと、これは一つの選択なんですよ。だけど、ムードだけでだ~っと行っちゃうと、話が違うじゃないかっていう話になる。」

  • 寺谷「民主党の言っている話も、蓋を開けたら元とそんなに変わらなかったということであるならば、今国家がこういう危機な状態のときに、ひょっとすると同じ答えのために遠回りをする、だからこそ迷うんだと思うんです。」

与謝野「もうひとつは、仕組みを変えると物事が良くなる、と思っている人たちが非常に民主党に多い。ところが、仕組みの問題じゃなくて、社会が変わっちゃっているということですよ。これだけの少子高齢化を迎えるなんて誰も想像していなかった。だから、多分仕組みが、なんとか戦略会議を作るとか、こういうのは面白そうな話なんだけど、知恵とアイディアは我々も相当やりましたからね。そんな変わったことが出来るわけではない。」

  • 寺谷「どうどうめぐりを繰り返し、やはり同じになると想定していれば、与謝野さんが仰っていた『引退期の終焉』は一つの答えだろうなと。ただ、それだけではないだろう。財政を使わなくても無駄を省く、無駄と言ってもさっきのお話のように揺らぎはあるにせよ、その一つで、ちょっとローカルな話ですが、以前思ったのは、地下鉄等公共交通機関の24時間化という話だったんですよね。財政を投下するのではなく、習慣をいじるような話で。例えば、朝まで電車が動いていないからこそ、深夜の雇用は一方で守られてしまう。だけれども、電車が無いから帰せない、帰すとなると交通費がばかにならない、要は無理やり雇用せざるを得ない。もし電車が1時2時にあるんであれば、その雇用が不要なら帰すことが出来る。これは多分無駄が存在する。
    逆にいえば、そこに雇用の自由な選択が生まれるからこそ、今度必要であれば新しい雇用が創出されるかもしれない。そういうような考え方。東京の一極集中が必ずしもいいとは思わないが、しばらくは東京は頑張らなければいけないだろう、経済効率を良くするために地下鉄なり公共交通機関を今まで動かしてないところを動かしてはどうですか?という提案を前回都議選のときに提案させてもらったりした。」

与謝野「まずですね、グローバル化グローバル化ってみんな言ってたんだけど、グローバル化っていうのは何を意味しているかというと、人も物もお金も自由に動いちゃうっていうことだと私は思っている。その時何が起きちゃうかっていうと、中国の安い賃金水準は自然に日本に入ってきちゃう。物の値段などを通じて。それで、日本の経済をよくするためには、どしたらいいのか?問題なんですよ。
一つは日本は非常に特殊な事情で、こんなに豊かになったんだけど、実は、面積も狭いし、資源もあるわけでもないしというんで、みんな頭使っていろいろやってますよね。なんとか仕事を作ってないと、その社会からおいてきぼりを食っちゃう人が出てくるわけですよ。それはサービス産業でもいいし、製造産業でもいいし、なんでもいい。
やっぱり、どういうものであれ、雇用を生み出す、そのことは、たいそう大事なことで。だけど、お金持ちの人から見るとね、あんな仕事必要ないわよって仕事があるわけですよ。だけど、その人にとっては、自分の命がかかっている。そこのところを、やっぱり、なんというか、僕らが竹中さん達の言う経済学というのを、あまり作用しなかった。最大の原因は、みんなに職業が無いとまずいよと。そこが自民党の原点です。
だけど、不思議に思うのは、民主党の議論を聞いていると、竹中さん的な効率性追求っていうのをものすごくやっているんですよ。
これは市場原理主義的な考え方で、ホントかいな?・・・ですから、おそらく選手が交代するということがあって、占い師になって世の中良くなるか悪くなるか、なんにも変わらないか悪くなる、というふうに私は思ってますよ。なぜかと言うと、100人の政治家が官僚組織の中に入るってわけですよ。そんなことをしたら、大混乱が起きる。民主党が持っている資料というのは、全部財務省で作ってあげた資料ですからね。彼らは、役人が役人がって言いながら、結構上手に利用してるんですよ。ですから、実は民主党でも、どこの党でも私はいいと思っているんですよ。そんな上手い話は起きない。もうひとつは、やっぱり年金で22兆使っちゃうっていう、子供手当に5兆使っちゃう、医療で何兆円使う、30兆超えるお金を使うって言う。そういう考え方があるって言ったら、私は決して否定はしません。それも一つの社会の在り方だ。やるんなら、ちゃんと覚悟決めてやらないと、話が違うってことになっちゃうんじゃないかな。民主党を選ぶか、自民党を選ぶかという選択じゃないんですよね。どういう社会を皆さんが望んでおられるのか。こういう社会ですよ。」

  • 寺谷「いや、民主党は高福祉の社会を目指すとは言ってないように思いますが。むしろ鍋の底に穴があいてるんだということをいいたいんでしょ?」

与謝野「だけど、彼らは一度も、どこに開いているかということを指摘したことはない。ストーリーとして、そういう話をしているだけで、どこですか?穴を開いているのは。というと、天下り、特殊法人・・等。」

  • 寺谷「一時期民主党も、それから自民党もそうだったが、いわゆる公務員バッシングというのが、ちょっと流行ですか?みたいな時期がありましたが。」

与謝野「いやぁ・・・日本の公務員というのは、悪い奴はいるかもしれないけれど、概ね真面目できちんとやっていると思いますよ。」

  • 寺谷「官僚は、政治にとってはパートナーだしツールでもあるし武器でもあったはずなんですけど。」

与謝野「今でもそうですよ。だって、いちいち図書館言って資料調べられないでしょう。」

  • 寺谷「そこには蓄積されたデーターとノウハウがあるんですよね。」

与謝野「ある。」

  • 寺谷「それを使わないでやろうなんてありえないじゃないですか。」

与謝野「ありえない。やぁ・・それね、自民党の中でも役人の悪口言ってれば票になると思った人たちがいるんですよね。だけど、私が知っている役人て言うのは、真面目で一生懸命やっている人多いですからね。」

  • 寺谷「ニュースがワイドショーになって、それがうまく利用されて、国民がその軽薄な正義感に引っ張られてというのが大きいのかなと思う。」

与謝野「軽薄な正義感っていうのはいい言葉ですよ。」

  • 寺谷「国民自ら自分たちを不幸にしているような気がしてしょうがない。」

与謝野「ですから、こういう時っていうのは、なんとか悪い奴を見つけようとするんだけど、苦しくなっているのは少子高齢化、それから日本の産業が中国やなにかに追いつかれそうでそこが本当はすべての苦しいことの根本なんです。なにか、物事の順番を間違えているとか、そういう話じゃなくて、根本的に日本の社会がある苦しさを持っているっていう、そういうふうに考えないと、私はいけないんじゃないかなと思う。」

  • 寺谷「ちょっとびっくりしたのが、この国の外需依存率が15%だと仰ってましたよね。もっとないともたないと思ってましたから。」

与謝野「そんなものなんですよ。ですから日本は、丁度輸入する分ぐらい輸出しているんですよ。今は、輸入している分は相変わらず輸入しているから、貿易赤字になっている。だけど、いろんなところに投資したりしてますから、それの収入が毎年入ってきますから、それでやりくりしている。」

  • 寺谷「この国はもっと外需依存率が高いと思ってました。」

与謝野「私もそう思っていましたよ。」

  • 寺谷「外国で作って外国で売っているケースもありますよね。」

与謝野「それはお金として送られてくるんですよ、配当とか利息とか。それは外需というよりは外国からの仕送りですね。その部分は結構大きい、大きくなってきている。おそらく、正確な数字は知りませんけれど、10兆までは行ってないが、5兆と10兆の間ぐらい仕送りがあるんでしょうね。」

  • 寺谷「国際競争力、あるいは外需に先行しすぎたからこそ内需にひびが入っているという話がよくでますよね。それが、実はそうでもないということですか。」

与謝野「一つ言えることは、円が安かったんですよ。輸出がしやすかった。それから、なんと言ってもアメリカがバブルだったから、楽しく輸出ができたんですよ。それはあるんですよ。だけど、外需依存度というのは経済全体の15%・・」

  • 寺谷「意外と自立してるんだ、この国は。」

与謝野「意外でしょ。だから個人消費が6割、後は会社の設備投資、政府の使うお金、外需、これで500兆。15%って言っても、75兆ありますからね。それが半分無くなっちゃうと大きいですよ。だけど、ドイツなんてのは、45%ですよ。
韓国が参っちゃっている。韓国はただ、ウォンが暴落しましたから輸出は楽になった。ところが聞いてみると、そうじゃないんですって。
大事な部品は、みんなに日本から買っているんだって。そんな楽じゃないと。」

  • 寺谷「もうひとつ、あまり時間がないんで、エネルギーの話をどうしてもしたいと思っていたんですけど、この国は外国へのエネルギーや資源依存率は非常に高いじゃないですか。化石燃料から脱皮して行きましょう、環境のこともありますけれども、これはどういうことかというと、結局はエネルギーやその資源を外国から輸入するのを減らしていくことになるのか。
    それが太陽光など再生可能エネルギーへとひょっとして上手く移行できていくようであれば、この国の外交上大きく景色が変わってくる話かもしれない。仮にこの国が、エネルギーを自給できるようなことになったら、社会福祉だの年金の話など全部解決できちゃうんだろうなみたいな淡い幻想を抱いたことがある。」

与謝野「それは、残念ながら、神様が日本に資源を与えてくれなかった。」

  • 寺谷「例えば太陽光パネルを100km四方くらいに張り巡らしたらどうだろうかとかね。」

与謝野「それはもう、今回相当太陽光をやるんですよね。全部人間が使っているエネルギーというのは、太陽由来なんです。化石燃料も水力も風力も、全部太陽のエネルギーを別な形で変換している。木材もそうだし。だけど、太陽から来るエネルギーというのは、面積に比例しちゃうんです。日本中太陽光パネルで埋めるっていうんならまた別だけど、だけど太陽光パネルの効率も少しずつ上がっているから、だからどこまで行けるか。
だから、そういうものを馬鹿にしちゃいけないです。だけども、計算してどのくらい供給できるか。やっぱり、太陽光パネルでゴルフ場埋め尽くして、100万人行くかどうかだよね。」

  • 寺谷「1%ですか?」

与謝野「100万人行かないですね・・ゴルフ場の隣にある小さな町には全部供給できるという位か。ですから結局は、日本も知らず知らずのうちに原子力をやっているわけですよね。」

  • 寺谷「政府は電源別発電量を原子力は40%まで伸ばすというのを確か打ち出してますね。」

与謝野「ですから非化石燃料、今原子力の取り扱い方なんですけど、こういうように将来行かざるを得ない。どうせ石油だって無くなっちゃうし。」

  • 寺谷「ただ原子力の場合は調整発電がどうしても難しい。」

与謝野「だからベースロード、電気と言うのは昼夜関わらず一定の発電をしているベースロードがあって、昼間向上なんかが動くとピークが上昇する。夜のなると下がる。だから下がってきたときに、ベースロードのものが大きい時はどうするかというと、溜めとくしかないですね。揚水発電とかいろんな方法がある。」

  • 寺谷「だから、原子力が40%まで行くというならなおさら蓄電は開発しなきゃいけないでしょ。」

与謝野「超電導技術が発達してくると、蓄電の技術なんかもでてくる。超電導というのは電気抵抗0ですから、電気作って抵抗なしでぐるぐる回しとけば、熱も出ないし溜まってるという理論があるんですよ。」

  • 寺谷「淡い期待かもしれないけれども、エネルギーの化石燃料からの脱却が上手い方向に進めば、この国の経済を底上げる何かが生まれる気がしてならない。エネルギーの蓄電や超電導、あるいは新エネルギーの開発であるとか。」

与謝野「新エネルギーの開発という場合は、太陽由来のものか、いわゆる原子力由来のもの、この二つしかない。後は太陽光パネルをもっと効率良くする、これは今15%まで行っているかな。たとえばこれが30%になったとなれば、これはもう別の世界。結構有望な世界。今回はそれに相当お金を使っています。
だから、やっぱり日本と言うのは結構苦しい国なんだよね。その苦しいってことを本当に国民に申し上げないで、いい話ばかりしてるっていうのは、やっぱり、いいのかな?って本当に思ってしまうんですよ。」

  • 寺谷「ちゃんと言った方が、僕はいいと思いますよ。」

与謝野「うん・・。」

  • 寺谷「苦しいからこそ知恵を使うんで、その知恵がこの国のインセンティブを生んでいく。」

与謝野「だから、お金を使う話ばかりしてるけど、もともとどうやって稼いでくんのかっていう部分が、やっぱりちょっと足りないんじゃないかな。というのを心配しているんですよ。」

  • 寺谷「ひょっとするとですが、与謝野さんはあと一期、かそれくらいで引退ですかね、年齢的にも。そういうときに聞くのはなんですけれども、やはり10年20年50年先のこの国の、多分僕はエネルギーや資源政策というのがこの国にとって命綱だと思っているから、それに関するロードマップを、民主はおろか自民党もだが、なぜマニフェストとかにどんと載せてこないのかなというのが、非常に物足りなかった。」

与謝野「実は、まったく私は、おなたの考えと一緒なんです。私、政調会長になった時に、三つのことを言ったんです。一つは財政再建しよう。もう一つは、国際競争力を高めよう。もう一つは、実は資源・エネルギー問題。今、資源外交っていう言葉は無くなっちゃった。実は、非常に大事な言葉で、資源、エネルギー外交という言葉をもう一度復活させようと、で、今復活したんです。だから、日本の生命線ですよ。仰る通り。」

  • 寺谷「それが多分、これからこの国の形を作るベースになるんじゃないか。例えばそれがあるからこそ、国際競争力もあるだろうし、国際貢献もあったり、安全保障もそこに起因する。」

与謝野「経済というのは、難しそうなことをいうんだけど、基本は物々交換なんですよ。だから、石油持っている人から石油もらう、こっちは向こうになんか渡す。渡すものを持っていなけりゃいけない。これが、難しい言葉でいえば国際競争力。そこの基本の部分を忘れちゃって、お金をぶんまく話だけやっていると、この世の中そんなことで上手く続かない。僕は、そういう点ではものすごい危機感を持っています。」

  • 寺谷「与謝野さんは若いころ原電のほうにおられましたね。若いころの与謝野さんのことで、エネルギー政策をやりたいと書いてあったのを見た覚えがありまして。」

与謝野「資源・エネルギー問題と言うのは日本にとって最大の問題です。人口が増えてくでしょ、何人まで養えられるかっていう問題が当然あるわけです。これ、何人まで養えるかって時に、これを制限するいろんな要素があって、一つは食糧政策、一つは環境、一つは資源、それからエネルギー。
だから、仰る通り、実は、日本の経済って、明治から何にも変わっていないんですよ。なんとかいいものを作って、海外に売る。そして代わりに必要なものをもらう。この通商国家、貿易国家っていうこの基本概念はおそらく変わらないと思う。ただ、いいやと、江戸時代に戻ろうと、人口3千万位で電気もないと。」

  • 寺谷「国民がそれを選んじゃったらそれはしょうがないですけど・・」

与謝野「蝋燭で生活しようって。それは国民は多分選ばれないと思います。まあ、ですから結構、自民党も全国的に苦戦してるらしいんだけど、まぁいろんな選挙のやり方をみんなやってますけど、私は一番大事なことは何かっていうと、そういう観点からいろんな政策をお話申し上げたいと思うんです。」

  • 寺谷「今回選挙ですから、選挙はしょうがないんでしょうけど、いつも与謝野さんが仰るように、政党を超えて、国全体でウィングを広げて話し合わなければいけないことがこの国には多分いくつもある。そういう観点からみると、今回の選挙で、例えば若いのに優秀で、しかし選挙で負けてしまったとか、あるいはそろそろ引退してもいいんじゃないかという人が残ってしまったりとか、そういうことが起きるかもしれない。それはこの国の損失だと思う。
    僕ははっきり言うと、政界は再編されるべきと思っている。自民も民主も国家のために協力し合ってほしい。言っていることは大同小異というか、似ているじゃないですか。ねじれたときはチャンスだと思ったんです。政治が無駄な時間を費やしている場合ではない。」

与謝野「こういう状況だと、大事なことが決まらない。この不幸は大変です。こんなもんでいいかね?」

  • 寺谷「ありがとうございました。」

※寺谷公一による与謝野馨氏インタビューは8月10日、13時より四谷2丁目の与謝野馨後援会事務所にて行われた。約束は一応30~40分程度ということであったが、実際のインタビュー時間は約45分。インタビューの全文を掲載した。


長く政治不信、官僚不信、細かい事件が立て続いてニュースという名のワイドショーが軽薄な正義を振りかざす。つもりにつもった国民からの政治・政府への不信感。だが、よく考えてみる。たしかにそういう不祥事はあったかもしれない。だが、それで全部が悪か?といわれれば、もちろんその答えはない。そうした状況を生み出した政権政党の自民党の責任は重い。その『風』がいまここに吹いている風である。その『風』の由来はもちろん不明瞭なままである。

自民党と民主党、与謝野さんは民主党が高福祉高負担の国家を目指しているというが、自分はそうではないと思っている。あくまで、これは、いうなれば信用の問題。自民党は財務省の資料は正しいと言い、一方で民主党は財務省が出してくる資料はウソだという。この話の事実は、そもそも国民には見えない。財務省の資料が正しければ、民主党はいたずらに官僚不信をあおっているといえる。しかし、財務省の資料がウソだというのなら、与謝野さんまでもが騙されているということになるし、民主党は満額といわないまでも福祉政策向上のための財源を得ることができるということになる。これだって、国民から見れば答えは決して得られない。要は信用するのかしないのか。こんなことで、大事な政権選択をしなければならない・・まさにギャンブル。そんな選挙をしなければいけない状況を思うと、これは国民にとって非常に不幸な選挙だと言える。

だが、ここまで選挙取材をしてきた中で、自分なりに見えなかったものが見えては来ている。要は、民主党の描くバラ色の福祉政策は、なるほどできたらいいなと思うものがならぶ。だが、やはりどうしても財源が心もとない。おそらくいくつかは着地不能なものであるということ、そしてそのあおりで自民党までもが票欲しさに揺らいで大衆に迎合していることで分かりにくくしてしまっているのだということがどうやら正しい。「やっぱり日本と言うのは結構苦しい国なんだよね。その苦しいってことを本当に国民に申し上げないで、いい話ばかりしてるっていうのは、やっぱり、いいのかな?って本当に思ってしまうんですよ。」という与謝野さんの誠実な言葉に、この国の未来を思うとそこに重さと真実を見た気がする。この選挙で、これは東京1区だけの話ではない。自民党だから民主党だからということではなく、人として、決して失われてはならない人材を失う選挙になっては欲しくないと思っている。

今回の第45回衆議院議員選挙立候補予定者インタビュー、与謝野馨氏は前回選挙の勝者であるだけでなく現職の財務大臣、いわば国家の財布を預かっているまさにその人。しかも現政府における最重要人物、さすがにこんな自分も若干緊張しました。なにを入り口にしようか悩んでみたり、だが会えばその物腰の柔らかさと真摯な受け答えにこちらが助けられた。ああ、この方が総理だったらなぁ・・正直そういう気持ちにさせられる。国民に、決していいことばかりじゃなくてもちゃんと知らせなくちゃいけないこと、未来に対する警鐘、与謝野氏のメッセージが今回のインタビューの中でいくらかでも伝えられたらと思う。実は、もう少し話したかった話題もあった。一つは、自転車政策、地方の自治体がやるべき政策に見えてもっと国が中心で進めるべき政策の一つである。環境、エネルギー、健康、そういった側面からの話題、そしてもうひとつは、民主党・海江田万里氏の時にも触れた記者クラブ制度の改革について。インタビューを終え、帰り際にそのことに触れ、また時間があるときにお願いしますと伝えた。

インタビュアーとしての未熟さをまだまだ痛感しながら、しかしなるべく彼が話されたままの言質を文字にする作業をしながら、ふと思ったのは、ああ、この人にはそう長い時間はない、それでも未来を語っている、その姿に心を打たれながら、つくづく日本が決して失ってはならない人材をこの選挙で失ってはならないと感じた。

◇第45回衆議院議員選挙・東京都第1区特集記事(時系列順)


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